【10月5日 AFP】男子テニス世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に対する匿名の暗殺予告が、出場予定の上海マスターズ(2012 Shanghai Rolex Masters)の開催地・中国のウェブサイトに投稿された。大会主催者は5日、事態を深刻に受け止め、家族とともに上海入りしているフェデラーに特別警戒態勢をとったと発表した。

 7日開幕する上海マスターズの主催者はAFPに対し、「上海マスターズでは出場選手を保護するための体制が敷かれている。あらゆる警戒態勢をとり、選手たちが不安なく安全に過ごせる環境を整えている」と声明で表明。フェデラーの身の安全を保証すると述べた。

 中国検索大手「百度(Baidu.com)」のウェブサイトに「Blue Cat Polytheistic Religion Founder 07」を名乗るユーザーから投稿されたメッセージは、「10月6日、私はテニスを根絶するためにフェデラーを暗殺する予定です」と主張している。このユーザーは、テニスコートで執行人が斧を持ち、膝をついたフェデラーの首を切る画像も投稿している。

 大会組織委員の1人は上海青年報(Shanghai Youth Daily)に、暗殺予告を受けて警察当局と連携し、フェデラーの警備を強化したことを明かした。この委員は「言葉による脅迫だけに終わることを望んでいるし、このファンが実際に行動を起こすことはないと考えている。とはいえ、われわれは事態を深刻に受け止める必要がある」と話している。

 テニス選手が襲撃の対象になった例はほとんどないが、1993年にはモニカ・セレシュ(Monica Seles)が、ドイツ・ハンブルク(Hamburg)で行われた試合でファンに刺される事件が起きている。(c)AFP