【1月22日 AFP】つい先日、開催中の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2011)で、女子テニス世界ランク1位のカロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)が「会見が退屈」との記者団からの嫌味に反撃して話題をさらったばかりだが、テニスの試合後の会見には昔からユニークなものが多い。

■お騒がせといえば「悪童マッケンロー」

 おそらく最も「悪名高い」記者会見は、1981年のウィンブルドン選手権でのジョン・マッケンロー(John McEnroe、米国)の会見だろう。なんとこの会見では、最終的に記者同士が殴り合いのけんかを始めてしまった。

 その日、マッケンローのコート上での芝居がかった行動をめぐり、意見のあわない英国人記者と米国人記者の間に険悪な雰囲気が漂っていた。

 そういったなかで英国人記者のナイジェル・クラーク(Nigel Clarke)氏がマッケンローにガールフレンドのことを質問。「Superbrat(スーパー駄々っ子)」ことマッケンローは記者に罵声を浴びせて部屋を飛び出してしまい、それをきっかけに記者の間で乱闘が始まった。

 後にクラーク記者は、米国人記者のチャーリー・スタイナー(Charlie Steiner)にタックルしたことを語り、「いすの上に立って下の連中をパンチするぐらいの冷静さは持ち合わせていた」と述べた。

■会見の評価も高いフェデラー

 一方、記者に最も評判の良い選手といえばロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)だ。フェデラーは英語、スイスドイツ語、フランス語を自在に操り、会見に1時間近く費やすこともいとわない。

■華やかな引退会見?

 カミーユ・パン(Camille Pin、フランス)は2010年の全仏オープン(French Open)で酒に酔って会見に登場し、その場で引退を発表した。「ごめんなさい。空きっ腹にシャンパン2杯飲んできたの。酔っぱらいたかったのよ。おもしろいじゃない?」

■記者もときには抗議する

 記者も遅刻には厳しいようだ。クリス・エバート(Chris Evert、米国)が会見場に1時間遅刻してきたときは、エバートが会見場に着いたとたんに記者たちが退室し、無言の抗議をした。

■話題豊富なサフィン

 しかし記憶に残る会見をする選手といえば、やはり最近引退したばかりのマラト・サフィン(Marat Safin、ロシア)だろう。

 経済的に苦しみつつも才能を開花させたロシアのサフィンは、2000年の全米オープン(The US Open Tennis Championships)に優勝した際にはウォッカをトレーに乗せて登場した。

 また、2009年のホップマンカップ(Hopman Cup)では、目の回りにあざをつくって会見場に現れ、「けんかに勝ったよ。大丈夫、俺は大丈夫」と述べ、けんかした相手の方がもっとひどい顔になってると付け加えた。

 2004年の全仏オープンでは、見事なポイントを取った際に、突然ハーフパンツを下ろして審判にポイントを無効にされた。

「最高のポイントだと思ったんだよ!」と、サフィンは試合後の会見で語った。「だからパンツを下ろす気分になったんだ。それのなにがいけないんだ?」

(c)AFP/Scott Coghlan

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