【8月28日 AFP】全米オープン・テニス2007(the US Open Tennis Championships 2007)、男子シングルス1回戦。大会第4シードのロシアの二コライ・ダビデンコ(Nikolay Davydenko)は、米国のジェシー・レヴィン(Jesse Levine)と対戦。ダビデンコはセットカウント3-0(6-4、6-0、6-1)のストレートでレヴィンを降し、2回戦進出を決めた。

 2日にポーランドのソポトで行われたオレンジ・プロコム・オープン2007(Orange Prokom Open 2007)の2回戦でアルゼンチンのマルティン・バッサージュ・アルゲージュ(Martin Vassallo Arguello)と対戦し、6-2、3-6で迎えた第3セットの途中(1-2)で足の負傷により棄権した試合にまつわる賭博スキャンダルで、ダビデンコは、自身の潔白を訴え続けているが途絶えることのない質問を精神的な負担と感じている。前回大会では準決勝まで駒を進めているダビデンコにとってコートでプレーをすることは、賭博スキャンダルから逃れる息抜きとなっているようだ。

 賭博スキャンダルに対しダビデンコは、「大変だよ。人は自分のことを賭博をする悪者だと思っている。信じてくれるか分からないけど、僕は人生で一度も賭博をしたことはない。賭博をする人の気が知れないよ。もし賭博をしているのならお金のために全大会の1回戦で負けてるよ。なぜ賭博なんかしなきゃならないんだ?負ければランキングが下がってしまう」と話した。

 また北京での中国オープン(China Open)とロシアでのデビスカップ(2007 Davis Cup)の準決勝の間に捜査当局の質問に応じる予定のダビデンコは、「大会が毎週あるから今はテニスに集中しなければならない。今はATPも圧力をかけてこないし好きにできる。いいことだ。テニスができる」と語った。ダビデンコは、全仏オープン・テニス2007(French Open 2007)の準決勝まで勝ち進んだが、足の負傷により、その後3大会回連続で1回戦で敗れている。

 オンラインブックメーカーのベットフェア(Betfair)は3日、ソポトでのダビデンコの試合の配当金に関し、不規則な賭けのパターンであったことを理由に支払いを中止することを明らかにしていた。ダビデンコが第1セットを取ったにもかかわらず、通常の10倍となる700万ドル(約8億円)の賭け金が対戦相手のアルゲージュに動いた。これが捜査の対象となり八百長というレッテルを貼られることとなった。

 ダビデンコは、「毎日、精神的に疲れてるよ。何か月間か休みを取って誰も自分に関して聞かなくなって欲しい。モスクワには住んでいないしロシアのマフィアなんて誰も知らない。15歳からドイツに住んでいる。ドイツのマフィアも知らない。ニューヨークのブルックリンに行けばロシアン・マフィアがいるかもしれないけど、ニューヨークでロシア人なんて見たこともない」と」と、ロシアのマフィアが関与しているという疑惑を否定した。またダビデンコは、賭博疑惑が向けられたのは3大会連続の1回戦敗退、またはソポトでの足の負傷の話を夫人に話していたのを誰かに聞かれたのが原因かもしれないとし、「試合の前から足の調子は悪かったけど、誰にもそのことについては話していない。ソポトでは多くのロシア人ファンがいて、試合の前に妻とロシア語で話していた。なぜ人が賭博をするのかが分からない。賭博をしている人をインターネットでチェックしたりもしないし、どれだけの金額を賭けているのかも知らない。毎週のように僕は身の潔白を訴え続けてきた。絶対にやっていない。あとどれくらいこれが続くのか?あと何週間だ?何か月だ?もしかしたら今年いっぱいか?」と憤りを露にした。(c)AFP/Jim Slater