【7月19日 AFP】英国の女子競泳選手で北京五輪2冠の金メダリスト、レベッカ・アドリントン(Rebecca Adlington、20)が、「ハイテク水着によるパフォーマンス向上はアンフェア」という信条を貫き、超高速水着は使用しないと宣言した。英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙(電子版)が18日、報じた。

 浸透性のない素材で、筋肉の凹凸を減らし体の浮力を高めるハイテク水着は賛否両論を呼んでいるが、イタリアで開幕した第13回世界水泳選手権(13th World Swimming Championships)でも新記録が続々登場するとみられている。

 しかし、北京五輪の競泳・女子400メートルと800メートル自由形で2冠を達成したアドリントンは、今回もハイテク水着を着用せず、自分の信念を「曲げない」と語った。「何万年経っても、わたしが決してドラッグに頼ることはないのと同じで、パフォーマンスを向上させるために水着を着ることはない。それは、わたしではない」

 アドリントンはテクノロジーに頼るよりも、自分の天賦の才能だけで勝つことにこだわりたいと述べた。「わたしが水泳に夢中になったのは、水泳が大好きだからで、全力を尽くして励んできたのは自分がいろいろなことを達成できると思うから。けれど、水着のおかげで表彰台に立ちたいとは思わない。水泳選手としての自分の能力だけで成績を上げたい」

 ハイテク水着を使用しない決断は固く、「着ないということを選択したのは、それが私自身のモラルだから。最終的に自分の信念をとにかく曲げないことにした。人間としてこのほうが気分がいい」と語った。(c)AFP