【4月8日 AFP】国際水泳連盟(FINA)は6日、英水着メーカーのSPEEDOの開発した最新の競泳用水着「Fastskin LZR Racer」が、着用した選手に不正なアドバンテージを与えることは無いと発表した。これにより、北京五輪で記録の山が築かれることになりそうだ。

 究極に効率化された「Fastskin LZR Racer」が2008年2月に発表されてから破られた世界記録では、この最新鋭水着を着用した選手が19個中18個で新記録を達成しているが、FINAはこの水着がさらなるアドバンテージを選手に与えることは無いとした。

 イタリアとカナダの両水泳連盟は自国の選手に北京五輪の選考会でFastskin LZR Racerの着用を禁止している。

 FINAは声明の中で「FINAは競泳水着の承認に関する問題について常時検討して参ります。しかしながら、我々の認識の限りではSPEEDO社のLZR RacerとFINAに承認されている競泳水着に、浮力の優位性をもたらす客観的で科学的な証拠はありません。我々は、FINA主催の大会におけるルールで明確に『水着メーカーは承認された新しい競泳水着がすべての競技者が利用可能であることを保証しなければならない』と示しており、これを適用します」と発表している。

 アテネ五輪で8つのメダルを獲得した米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)やオーストラリアの競泳チームが北京五輪ではLZR Racerを着用することになっており、記録の積み重ねられるものとみられる。

 FINAは第9回世界短水路選手権2008(FINA Short-Course World Swimming Championships 2008)の開催される英国マンチェスター(Manchester)で現地12日にメーカー側と会議を行う。FINAの召集により開かれる会議では「必要と考えられた場合には水着の認可の手続きと条件について再検討や更新」を行うとしている。(c)AFP