【8月31日 AFP】オーストラリア・アンチドーピング機構(Australian Sport Anti-Doping Authority:ASADA)は、2006年に現役を引退した元水泳世界王者イアン・ソープ(Ian Thorpe)氏のドーピング疑惑について言及し、同氏の潔白と調査の終了を発表した。

 記者会見に出席したASADAのスタッフは、ソープ氏のドーピング疑惑について「利用できる証拠において、ソープ氏がドーピング違反を示すものはなかった。また、ドーピングに関する組織の専門家は、今回の証拠がソープ氏のドーピング使用を決定付ける証拠にはならないという意見で一致している」と語り、同氏のドーピング疑惑の潔白を証明した。

 2000年シドニー五輪の競泳で3つの金メダルを獲得し、2004年のアテネ五輪では2つの金メダルを獲得したソープ氏のドーピング疑惑は、2007年3月にフランスのレキップ(L’Equipe)紙によって、2006年に行われたドーピング検査でテストステロンと禁止されているホルモン剤の2種類の陽性反応が検出されたと報じられていた。この報道を受けてASADAは、同氏のドーピング使用疑惑をめぐる再調査をするとともに世界反ドーピング機関(World Anti-Doping Agency:WADA)や公認の組織を含む幾つかの研究機関の専門家から意見などを求めていた。 (c)AFP