【9月9日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)は8日、アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で行われた総会で初めて、2016年リオデジャネイロ五輪の準備について批判した。

 リオデジャネイロ五輪組織委員会(Brazilian Olympic CommiteeOCB)のカルロス・アルトゥール・ヌズマン(Carlos Arthur Nuzman)会長は総会でリオデジャネイロ大会の進捗についてプレゼンテーションを行い、たくさんの作業は残っているものの、開催までには間に合うと主張した。

 しかしプレゼン後、ヌズマン氏は委員会から圧力をかけられた。

 IOC調整委員会のナワル・エル・ムータワキル(Nawal El Moutawakel)委員長は、リオデジャネイロの準備において進展は見られるものの、改善の余地はあると述べた。

 モロッコの元女子400メートルハードル金メダリストで、同国のスポーツ大臣を務めたこともあるエル・ムータワキル氏は、今年ブラジルが開催したサッカーコンフェデレーションズカップ 2013(Confederations Cup 2013)の期間中に起こった反政府デモから教訓を得るべきだと語った。

 公共交通機関の運賃値上げをきっかけに始まったこのデモには同国各地で何千人もの市民が参加。公共サービスの改善の要求や、来年のワールドカップ(2014 World Cup)と2016年五輪の開催のために多額の資金が注ぎ込まれていることに対する抗議などが行われた。

 先週、調整委員会のメンバーとリオデジャネイロを視察したエル・ムータワキル氏は、「ここ数か月の間に、リオの社会情勢や政治状況は大幅に変わった」と話した。

「以前よりも関係者が協力体制を強める必要がある。重要な決断は共同で下さなければいけないし、統一性のあるコミュニケーションを取らなければいけない」

 一方でエル・ムータワキル氏は、リオデジャネイロが素晴らしい大会を開催すると信じていると言う。

「2016年に印象に残る大会を開催するために必要な資金とエネルギーと熱意を、リオデジャネイロとブラジルは今でも持っていると確信している」(c)AFP