【8月7日 AFP】米経済誌フォーブス(Forbes)は6日、オンライン版で女子スポーツ選手の長者番付トップ10を発表した。テニス選手が多くランクインした一方で、ほとんどのスポーツにおいて女子選手と男子選手を隔てる大きな収入の格差が目立った。

 上位4位にはテニス選手がランクインし、トップには2012年6月から2013年6月までに2900万ドル(約28億円)の収入を得たマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が立った。

 テニス世界ランク1位のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams)が2050万ドル(約20億円)で番付2位、中国の李娜(Na Li、ナ・リー)が1820万ドル(約18億円)で3位、ビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が1570万ドル(約15億円)で4位となった。

 また、同じくテニス選手のカロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)は1360万ドル(約13億円)で7位、アニエスカ・ラドワンスカ (Agnieszka Radwanska、ポーランド)は740万ドル(約7億2000万円)で8位、アナ・イワノビッチ(Ana Ivanovic、セルビア)が700万ドル(約6億8000万円)で9位に入った。

 テニス以外のスポーツでトップ10入りした選手はわずか3人で、NASCARのドライバー、ダニカ・パトリック(Danica Patrick)が1500万ドル(約14億6000万円)で5位、フィギュアスケートの金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)が1400万ドル(約13億7000万円)で6位、ゴルフのポーラ・クリーマー(Paula Creamer、米国)が550万ドル(約5億4000万円)で10位にランクインした。

■スポーツ界の男女格差

 フォーブスは、スポーツの世界でも依然男女の収入格差が存在すると指摘する。

 同誌が6月24日に発表した男女とものアスリート長者番付トップ100によると、男子ゴルフ世界ランク1位のタイガー・ウッズ(Tiger Woods)が現在世界で最も所得の多いアスリートで、2012年6月1日から2013年6月1日までの1年間で7800万ドル(約76億円)の収入を得たという。

 また、米プロバスケットボール協会(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のコービー・ブライアント(Kobe Bryant)が2013-14シーズンに受け取る報酬は3050万ドル(約30億円)だが、女子バスケットボールの年俸は最高でも10万7000ドル(約1000万円)となっている。

 朴仁妃(In-Bee Park、イン・ビー・パーク、韓国)が今年のゴルフ全米女子オープン(US Women's Open Championship 2013)で優勝して受け取った賞金が58万5000ドル(約5700万円)だった一方で、男子の全米オープン(2013 US Open Championship)では覇者のジャスティン・ローズ(Justin Rose、イングランド)には140万ドル(約1億4000万円)が贈られた。

■男女差が撤廃されたテニス界でもスポンサーシップで差が

 一方で、テニス界では近年男女の賞金を平等にする動きが進んでいる。しかし広告の出演料と比べたら賞金は微々たるもので、シャラポワの収入の多くはスポンサーシップから賄われているという。

 シャラポワは2012年の全仏オープン(French Open 2012)優勝後、スポーツ用品メーカーのナイキ(Nike)やヘッド(Head)とコマーシャル契約を結び、2300万ドル(約22億円)の報酬を受けている。また、自身のスイーツブランド「シュガポワ(Sugarpova)」も立ち上げており、そこからの収入もある。

 それでもテニスで最高収入を誇るのは、7150万ドル(約70億円)を得たとされている男子のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)。男女とものアスリート長者番付トップ100ではウッズに続いて2位にランクインした。

 男女混合ランキングではシャラポワは22位、セレーナは68位、李は85位となっており、テニスでもさらなる平等化が必要だということを示している。

 トップ100に入った女子選手は、シャラポワ、セレーナ、李の3人だけだった。(c)AFP