【7月2日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は1日、ブラジルで30日まで開催されていたコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2013)が成功したことを称賛し、来年同国で開催されるW杯(2014 World Cup)も素晴らしいものになるだろうと期待を寄せた。

「(コンフェデ杯)開幕時には、どうなるか見通しがつかないこともいくつかあった」とブラッター会長は語る。

 大会前、ブラジルでは開催会場の建設が予定通りに終わらなかったり、インフラやその他設備に問題があったりと、トラブルが起こっていた。

 また、大会中にはブラジルでの社会不安がここ20年間で最大にまで高まり、150万人もの市民が国内各地の都市部に集まって、サッカー大会開催のための計150億ドル(約1兆4000億円)の予算に対する抗議を行った。

 ブラジル人の多くは大会運営にかかっている費用が、赤字インフラや、下降の一途をたどっている公共交通の整備や医療、教育などの予算に充てられるべきだったと感じているとされる。

■W杯開催に懸念残るも、「心待ちにしている」とFIFA会長

 W杯に向けてさらなる試練が待ち受けていることに対する懸念もある。コンフェデ杯でブラジルは、3週間の大会期間中に国内6か所の開催地で合計8チームを受け入れたが、W杯では12の都市で32チームを迎えなければいけない。

 しかしブラッター氏は、デモが勃発したにも関わらず見事な大会を演出し、30日の決勝では世界王者のスペインを倒して優勝したブラジルが開催国となるW杯に、期待を抱いているという。

「来年ブラジルには、とても素晴らしいW杯を開催したという遺産が残るだろう。これは間違いない。嬉しく思っている。期待を抱いて、来年を心待ちにしている」

 またブラッター会長は、コンフェデ杯開幕前夜にサンパオロ(Sao Paulo)やリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)などで、当初は公共交通料金の値上がりに対する抗議として勃発したデモが鎮静化してきていることについて安心したと語った。

「公正な形で、抗議活動が終わったことを喜んでいる。社会的な不安はもう落ち着いたようだ。いつまで持つかはわからないが」

(c)AFP/Chris Wright