【3月22日 AFP】2020年夏季五輪の開催を目指すスペインのマドリード(Madrid)を視察に訪れていた国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のクレイグ・リーディー(Craig Reedie)副会長は21日、スペインの経済状況が同地の五輪招致の妨げにはならないだろうとの見解を示した。

 マドリードはスペインが長引く経済危機に面しているにもかかわらず、連続3度目となる五輪招致活動に臨んでいる。

 しかしIOC評価委員会の委員長を兼任するリーディー氏は、4日間の視察を終え臨んだ記者会見で、スペイン経済が五輪開催に応需できるというマドリード招致委員会の報告は納得のいく内容だとコメントした。 「招致委員会から、スペインの経済が安定して回復の一途をたどっているという明確な報告を受けた。同国の経済状況については我々もよく理解している。マドリード招致委員会が率直かつ明朗に報告してくれたことに感謝する」と述べた。

 一方、IOCのジルベール・ フェリ(Gilbert Felli)五輪統括部長は、大会に必要な多くの設備がマドリードにはすでに整っていることから、招致委員会の提案している控えめな予算でも五輪開催は実効可能だろうという判断を下した。

 五輪に必要とされる35の施設のうち28はすでに建設されているため、マドリードは今後の出資予算は15億ユーロ(約1800億円)になると見積もっている。

 フェリ氏は「納得のいく数字だと思う。数年にわたってマドリードの道路や空港や交通設備、スポーツ施設などにいくら投資されてきたかIOCは把握している。インフラがすでに整っているゆえ、国の経済危機は五輪招致に影響を与えることはあまりないだろう」と述べた。

 IOC評価委員会の視察団は、同じく2020年夏季五輪招致を行っている東京の視察をすでに終えており、来週にはもうひとつの開催候補地、トルコのイスタンブール(Istanbul)を訪問する。

 同評価委員会はその後すべての候補地に関する報告書をまとめ、7月3日にスイス・ローザンヌ(Lausanne)でIOC委員に提出することになっている。(c)AFP