【3月7日 AFP】2020年夏季五輪の開催を目指す東京で6日、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の評価委員による調査が3日目を迎え、専門家が東京の交通網は五輪開催に十分足るものだと説明し、開催が決まれば新しい道路の建設にも着手すると確約した。

 マドリード(Madrid)、イスタンブール(Istanbul)と争う2020年の夏季五輪招致へ向けた評価委員の視察で、東京は都市工学を専門にする岸井隆幸(Takayuki Kishii)教授が「五輪用に特別な何かを作ることはない」とアピールした。

 日本大学(Nihon University)で教鞭をとる岸井教授は、「東京では長期計画の一環として様々な輸送施設の建設が着実に進んでおり、五輪にも容量として十分に耐えられると説明した」とコメント。さらに東京では首都圏を巡る3つの環状路が間もなくほぼ全線で完成し、また臨海部の選手村へつながる高速道路も建設予定だとした。

 インフラは招致へ向けた重要な評価ポイントになるとみられている。IOCは2016年夏季五輪開催地にブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)を選び、南米大陸の初の五輪開催を決めているが、同市は開催へ向けた準備が最終段階で遅れを見せているという。

 また、イスラム教徒が人口の大半を占める都市として初開催を目指すトルコのイスタンブールは、巨大イベントである五輪へ向け、近年の経済成長で得た資金をインフラ整備へ投入することが求められている。

 候補3都市の中で東京は、唯一過去に五輪を開催した経験を持つ。

 今回の視察ではIOCのクレイグ・リーディー(Craig Reedie)副会長ら14人の評価委員に対してプレゼンテーションが行われており、岸井教授はその一環として輸送と宿泊施設について説明を行った。

 東京での視察を終えた評価委員は、この後3月の後半にマドリード、イスタンブールを視察する。評価委員は7月までに3都市に関する視察報告書をまとめ、101人のIOC委員はそれを元に、9月7日の総会で開催地を決定する。(c)AFP