【3月6日 AFP】2020年夏季五輪の開催を目指すイスタンブール(Istanbul)の五輪招致委員会(Istanbul 2020 Bid Committee)は5日、トルコとギリシャが招致へ向けた協力関係を築くことで合意したと発表した。

 トルコと犬猿の仲にあるギリシャが全面的な支援を宣言したことで、五輪開催を目指すイスタンブールが心理面で大きな後押しを受けることとなった。

 五輪発祥の地であり、過去に2度アテネ(Athens)で近代五輪を開催しているギリシャのアントニオ・サマラス(Antonis Samaras)首相は、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相と3日から4日にかけて会談し、協定に合意した。

 これは首脳会談で合意がなされた20以上の協定の1つで、観光やエネルギー、通信などあらゆる部門で両国の関係を強化することを目的としている。トルコとギリシャの関係は、キプロスの再統合をめぐる交渉の不調や、エーゲ海や地中海東部の領海問題が原因で、数十年にわたって不穏な状態が続いている。

 しかしながら両国は今回、「2020年の夏季五輪へ向けた組織づくりで、技術の他あらゆる面で協力していく」と共同宣言を発表した。さらに宣言の中では、イスタンブールが開催地に選ばれた場合、両国は1つの地域として「五輪が両者により大きな利益をもたらす道を探っていく」とした。

 イスタンブールが東京、マドリード(Madrid)と争っている2020年の夏季五輪開催地は、9月にアルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で行われる国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の総会で決定される。(c)AFP