【2月14日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)の理事15人による採択でレスリングが2020年夏季五輪の実施競技から除外候補となり、他のIOCの委員から非難の声が挙がっている。

 除外の危機に瀕しているレスリングだが、2013年9月にアルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で開かれる全委員参加の総会で、最後に笑う可能性はまだ残されている。

 IOC委員はかねてから、除外候補の選定という重要な案件が、まず15人の理事による投票で決まることに怒りの声を挙げていた。

 そして今回、古代五輪の時代から実施され続けてきた数少ない競技の一つであるレスリングが除外候補となったことで、委員はさらに反発を強め、その怒りが9月7日から10日にかけて開かれる総会で手が付けられない状態になる可能性もある。

 今回の件は、12年目の任期を迎えたIOCのジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長の在任最終年に暗い影を落とす恐れもあるが、中には除外のシナリオは避けられると見ている委員もいる。

 その1人で、理事には選ばれていないある委員はAFPに対し、選定過程のすべてが悪い冗談だったとなる可能性もあると語った。

「レスリングの除外がこれだけの騒ぎになっている以上、(ロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で5月29日から31日にかけて行われる)次の理事会で、追加候補3枠の1つにレスリングを入れて総会での投票に決定を委ねる、という判断が下される可能性はある。そうなれば総会の投票で、実施競技に戻される可能性は大きいのではないだろうか」

「だとしたら、一連の騒ぎはいったいなんなのかということになる。単なる悪い冗談のようだ。そもそも今決めるべきことじゃなかったんだ。次のブエノスアイレスの総会は、2020年の開催地やロゲ会長の後任を決める投票だけで手一杯だ。この件は来年まで保留にしておくべきだった」

(c)AFP/Pirate Irwin