【2月13日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)は12日、スイスのローザンヌ(Lausanne)で開かれた理事会で、2020年夏季五輪の実施競技からレスリングを除外することが採択されたと発表した。

 レスリングは、アルゼンチンのブエノスアイレス(Buenos Aires)で9月に行われる総会で開催地が決定される20年夏季五輪の追加競技として、他の7種目とその座を争うことになった。

 フリースタイルとグレコローマンスタイルに分かれて行われるレスリングの実施にはわずかながら希望が残されているが、過去に除外となった野球とソフトボールの例を考えると、分が悪い。

 野球とソフトボールは2009年に実施された投票で除外候補となり、その後開催された理事会で除外が決定された。同理事会では2016年リオデジャネイロ五輪の実施競技にゴルフと7人制ラグビーが採用されている。

 理事会外のIOC委員は、議論が行われず、既成事実のような形で決定を知らされたことに反感を抱いており、そうした委員による反対票が見込まれている。最後の望みは、ブエノスアイレスで行われるIOCの全委員が参加する総会にかかっている。

 皮肉にも、競技の復活を目指す野球とソフトボールは、総会前の追加候補の絞り込みが行われる5月の理事会に向けて連携を取っている。また、スカッシュ、ローラースポーツ、空手、武術太極拳、ウェイクボード、スポーツクライミングが競技への新規参入を目指してロビー活動を行っている。

 東京、スペインのマドリード(Madrid)、トルコのイスタンブール(Istanbul)が開催地に立候補している20年夏季五輪で新たに採用される競技としては、スカッシュと空手が有力視されている。(c)AFP