【10月3日 AFP】10月7日にフランス・パリ(Paris)郊外のロンシャン競馬場(Longchamp Racecourse)で行われる、競馬の第91回凱旋門賞(91st Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400m)で、オルフェーヴル(Orfevre)に対する優勝の期待はかつてないほどに高まっている。

 日本で2011年にクラシック三冠を達成し、年度代表馬にも選ばれたオルフェーヴルは、2日にライバル馬2頭の出走取りやめが明らかとなったため、明確な優勝候補となった。

 第90回凱旋門賞(90th Prix de l'Arc de Triomphe)で3位に入り、同賞の前哨レースであるアイリッシュ・チャンピオン・ステークス(Irish Champion Stakes)を制したスノーフェアリー(Snow Fairy)の突然の出走回避が前週決まったのに続き、前年度優勝馬のデインドリーム(Danedream)と英国の3歳馬ナサニエル(Nathaniel)の出走回避も明らかになった。

 9月28日の練習後に脚部の不安からスノーフェアリーが出走をとりやめたことを受け、これまでの32年間に計12頭が挑戦してきたものの今だ達成されていない日本勢の凱旋門賞での初勝利に、オルフェーヴル陣営の池江泰寿(Yasutoshi Ikee)調教師は期待を膨らませている。

 さらに、同じく本命だったデインドリームの出走が回避されたことで、恐らく不本意ではあろうが、オルフェーヴルは誰もが認める大本命の地位へと押し上げられることとなった。

 デインドリームの出走回避は、ケルン(Cologne)の厩舎で一緒だった馬の1頭が伝染性の血液の病気にかかっていると診断され、厩舎内の全ての馬に3か月間の隔離措置がとられたことが原因となっている。

 大会主催者にとってはともかく、ライバル馬の出走回避はオルフェーヴルにとってはありがたい知らせとなったが、その数時間後に更なる追い風が吹いた。

 今シーズンのエクリプス・ステークス(Eclipse Stakes)を制し、キングジョージ6世&クイーンエリザベス・ステークス(King George VI and Queen Elizabeth Stakes)、さらにはアイリッシュ・チャンピオン・ステークスで僅差の2位に入っていたナサニエルは、オルフェーヴルにとって大きな脅威になると見られていたが、発熱のため出走許可が下りなかった。

 オルフェーヴルの他に出走する馬は16頭となったが、4日までに追加登録料の10万ユーロ(約1000万円)を支払うことでさらなる馬が出走する可能性がある。

 現時点で出走が決まっている中で、オルフェーヴルにとって最も危険と見られているのはアイルランドのキャメロット(Camelot)。この馬は、英2000ギニー(Two Thousand Guineas Stakes)、英国ダービー(Derby Stakes)、アイリッシュダービー(Irish Derby)を制したが、直近のセントレジャー・ステークス(St Leger Stakes)では厳しいレースを強いられて2位に終わり、3冠を逃している。(c)AFP/Pirate Irwin