英国騒然、伝統のボートレースが乱入者で台無しに 五輪警備に不安も
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【4月9日 AFP】英ロンドン(London)のテムズ川(River Thames)で7日行われたケンブリッジ大学(Cambridge University)とオックスフォード大学(Oxford University)による第158回目となる伝統の対抗ボートレース(Boat Race)で、ウェットスーツを着た遊泳者がコースに侵入し、レースが30分間中断する前代未聞のハプニングがあった。再開後のレースではケンブリッジ大が勝利したものの、すっきりしない結末となった。
2隻のボートの進路に黒いウェットスーツ姿の男が泳いで現れ、オックスフォード大のボートのオールにあわや激突しかかったのは、レース開始からおよそ8分後。オックスフォード大がボート3分の1ほどリードしていた。
観戦客の証言によると、男はテムズ川南岸の木々のしげみの中から現れ、ボートが現場に差し掛かるかなり以前から遊泳していたが、ボートが来るとその方向へ向かって泳いでいったという。審判や関係者は、泳ぐ男の頭を水面に浮かんだゴミだと思って見落としていた。
レースは中断から30分後に再開したものの、オックスフォード大には今度はクルー2人が衝突しオール1本が折れるトラブルが発生。ケンブリッジ大に絶望的な差を付けられ、遅れを取り戻そうと必死にこいだオックスフォード大クルーの1人がゴールラインを越えたところで昏倒してしまうなど、散々な結果に終わった。
オックスフォード・ボート部のカール・ハッドスピス(Karl Hudspith)部長は、レースに敗北したのは妨害に入った遊泳者のせいだと非難。マイクロブログのツイッター(Twitter)で怒りを爆発させた。「わがチームは7か月間の地獄をくぐり抜けてきた。このレースがわれわれのキャリアの頂点だったのに、お前が奪い去ったのだ」
同部長は、倒れたクルーについて「意識はあり、おそらく大丈夫だ」と語っている。
レース後の恒例のセレモニーはキャンセルされた。審判はレース結果について、「クルーはアクシデントを甘受しなければならない」と規則にあることからケンブリッジ勝利は揺るがないとの見方を示している。
■「エリート主義」に抗議?
レースに割り込んだトレントン・オールドフィールド(Trenton Oldfield)容疑者(35)は、満面の笑みを浮かべて救急救命スタッフに川から引き上げられたが、その場で身柄を拘束され、警察当局によるとその後、公共秩序法(Public Order Act)違反容疑で逮捕された。
英メディアによると、オールドフィールド容疑者はオーストラリア出身の活動家で、「エリート主義は専制を導く」と題したオンライン声明で抗議行動を警告していたという。警告文には「レースを阻止し、サプライズ戦術のカムバックを提起するため、ボートの前に泳ぐつもりだ」と書かれていたとされる。
■ロンドン五輪や女王即位60年イベントの警備に不安
この騒ぎを受け英国では、6月にテムズ川で行われるエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の即位60年祝賀イベントや、7月にロンドン西部ウィンザー(Windsor)のコースで行われるロンドン五輪のボートレースなどをめぐり、警備面での懸念が浮上している。(c)AFP
2隻のボートの進路に黒いウェットスーツ姿の男が泳いで現れ、オックスフォード大のボートのオールにあわや激突しかかったのは、レース開始からおよそ8分後。オックスフォード大がボート3分の1ほどリードしていた。
観戦客の証言によると、男はテムズ川南岸の木々のしげみの中から現れ、ボートが現場に差し掛かるかなり以前から遊泳していたが、ボートが来るとその方向へ向かって泳いでいったという。審判や関係者は、泳ぐ男の頭を水面に浮かんだゴミだと思って見落としていた。
レースは中断から30分後に再開したものの、オックスフォード大には今度はクルー2人が衝突しオール1本が折れるトラブルが発生。ケンブリッジ大に絶望的な差を付けられ、遅れを取り戻そうと必死にこいだオックスフォード大クルーの1人がゴールラインを越えたところで昏倒してしまうなど、散々な結果に終わった。
オックスフォード・ボート部のカール・ハッドスピス(Karl Hudspith)部長は、レースに敗北したのは妨害に入った遊泳者のせいだと非難。マイクロブログのツイッター(Twitter)で怒りを爆発させた。「わがチームは7か月間の地獄をくぐり抜けてきた。このレースがわれわれのキャリアの頂点だったのに、お前が奪い去ったのだ」
同部長は、倒れたクルーについて「意識はあり、おそらく大丈夫だ」と語っている。
レース後の恒例のセレモニーはキャンセルされた。審判はレース結果について、「クルーはアクシデントを甘受しなければならない」と規則にあることからケンブリッジ勝利は揺るがないとの見方を示している。
■「エリート主義」に抗議?
レースに割り込んだトレントン・オールドフィールド(Trenton Oldfield)容疑者(35)は、満面の笑みを浮かべて救急救命スタッフに川から引き上げられたが、その場で身柄を拘束され、警察当局によるとその後、公共秩序法(Public Order Act)違反容疑で逮捕された。
英メディアによると、オールドフィールド容疑者はオーストラリア出身の活動家で、「エリート主義は専制を導く」と題したオンライン声明で抗議行動を警告していたという。警告文には「レースを阻止し、サプライズ戦術のカムバックを提起するため、ボートの前に泳ぐつもりだ」と書かれていたとされる。
■ロンドン五輪や女王即位60年イベントの警備に不安
この騒ぎを受け英国では、6月にテムズ川で行われるエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の即位60年祝賀イベントや、7月にロンドン西部ウィンザー(Windsor)のコースで行われるロンドン五輪のボートレースなどをめぐり、警備面での懸念が浮上している。(c)AFP