【8月29日 AFP】2000年のシドニー五輪の開会式で音楽演奏を担当したシドニー交響楽団(Sydney Symphony OrchestraSSO)が、演奏しているふりをしていただけで、実際は録音されたもの使用していたことが明らかになった。さらに、録音の一部は、ライバルのメルボルン交響楽団(Melbourne Symphony OrchestraMSO)による演奏だったという。

 SSO関係者によると、録音された演奏が使用された理由は、シドニー五輪組織委員会が「何事も抜かりがないことを求めた」ことと、シドニー(Sydney)での「非常に膨大な作業量」のためにMSOが演奏を録音していたことが明らかになったからだいう。

 この事実が明らかになると、メルボルン(Melbourne)では大きな話題になった。メルボルンは長年、シドニーとライバル関係にあり、五輪での演奏という重要な場面に、実はMSOが行った演奏が使われたということに大喜びだという。

 MSOの代表者も、演奏が事前録音だったことを認めているが、一方で、これは「純粋に作業量の問題」で、両楽団の実力の問題ではないとしている。

 SSO関係者は、同楽団は演奏のふりをすることはめったにないとしながらも、03年にシドニーで行われたラグビーW杯(Rugby World Cup)で行ったとしている。また、MSOも06年のコモンウェルス・ゲームズ(Commonwealth Games)の開会式で録音された演奏を使用したことを明らかにしている。

 先ごろ閉幕した北京五輪でも、開会式で歌を披露した少女が「口パク」だったことが明らかになった。(c)AFP