【4月8日 AFP】チベット暴動への中国政府の対応に抗議し、ロンドン、パリなど北京五輪の聖火リレー通過ルートで妨害行動が相次いでいる問題で、国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)の理事らは初めて、今大会の海外リレーを中止する可能性について言及した。

 グニラ・リンドベリ(Gunilla Lindberg)IOC副会長によると、北京(Beijing)で10日から開かれるIOC理事会で、北京五輪の聖火リレーに関して見直される方針だという。また今後の大会におけるリレーについても取り上げるとみられる。海外リレーの中止はありうるかと質問された同副会長は、報道陣に「全面的な見直しが必要だと思う」と答えた。

 ロンドン、パリの聖火リレーでは、中国政府のチベット(Tibet)自治区の統治手法やそのほかの人権弾圧に反対するグループなどが抗議行動を起こし、リレーに対する大規模な妨害が発生した。今後通過が予定されている都市でも、同様の抗議行動の計画が明らかにされている。

 ケバン・ゴスパー(Kevan Gosper)IOC委員は、聖火リレーが世界中の人権活動家らが中国への反感を表す機会になってしまった点を指摘し「非常に失望している」と述べ、「彼らはその時々の問題が何であれ反感をぶつける。反感は今、中国が主催国となる五輪の聖火に向けられている」と批判した。(c)AFP/Charles Whelan