【8月6日 AFP】仮病疑惑で日本相撲協会(Japan Sumo Association)から厳罰処分を受け精神的ショックに陥っている第68代横綱・朝青龍(Asashoryu)が5日、精神科医の診察を受け「神経衰弱」と診断されたことが明らかになった。

 診断した本田昌毅(Masaki Honda)医師は、朝青龍の状態について「精神的に参っている。2、3日もこの状態が続けばうつ病になる可能性は高いだろう。一度、うつ病になると回復するのは非常に難しい」と現在の状態について説明し、最善の治療方法は?との質問には「朝青龍をモンゴルに帰国させることが最高の治療法。彼は母親の作る料理が食べたいと言っている」と語り、最善の治療は同力士をモンゴルに帰国させることであると強調した。

 7月に行われた名古屋場所終了後、腰やひじの痛みを訴えて夏巡業休場を求めるため医師の診断書を提出していた朝青龍は、母国モンゴルで行われたチャリティーイベントでサッカー元日本代表の中田英寿(Hidetoshi Nakata)氏と共にサッカーを楽しんでいるところを日本のテレビ局に報道され、世論の批判を受けていた。

 この事態を重く見た日本相撲協会は、今月1日に同力士に対して9月9日から23日まで開催される秋場所と11月11日から25日まで開催される九州場所の出場停止、4ヶ月間の減棒30%、さらに九州場所の千秋楽まで謹慎処分に科すことを発表。これを受けた同力士は厳罰処分のショックから不眠症でほとんど食べ物も口にしない状態が続いており、精神不安定状態に陥っていると報道されていた。

 また、3日に診察した朝青龍の主治医を務める平石貴久(Takahisa Hiraishi)医師も、朝青龍の状態について、「非常に精神的に不安定になっている。私は彼に一般の睡眠薬を与えたが、彼は2、3時間毎に目を覚ます」と語り、同力士の精神状態が不安定であることを強調した。

 謹慎中に母国に帰国することは、よほどの理由がない限り認められないが、東京新聞(Tokyo Shimbun)は、日本相撲協会の北の湖(Kitanoumi)理事長の、「病気であれば帰国も考慮する」との発言を引用し、病気の場合は日本相撲協会も帰国への理解を示す可能性が高いとしている。一方、3日からスタートした夏巡業の巡業部長を務める大島(Oshima)は、巡業に参加している力士たちと朝青龍を比較し、「他の力士たちはこの炎天下の中を我慢している。誰が彼だけを帰国させますか?」とフジテレビ(Fuji television)の取材で語っており、朝青龍の帰国を巡り賛否が分かれている。

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