【6月14日 AFP】台湾の行政院大陸委員会が、現在発表されている北京五輪の聖火リレーのルートについてコース設定を変更しなければ、聖火リレーへの参加を拒否すると発表した。

 台湾側は、台北から香港、マカオを経由して中国本土に通るとされている聖火のルートのコース設定は、台湾が中国「国内」の扱いになるとして発表直後に激しく抗議している。台湾(中華民国)は、1949年に中国から分離(中華民国政府の台湾移転)しているが中国側は、台湾を本国の一地域として認識している。

 中国本土との業務を担当する台湾の行政院大陸委員会は、聖火が通過する場合は中国を介さずに通過するべきという見解を示しており、陳明通(Chen Ming-tong)委員長は「新たな提案がない限り、2008年に聖火のトーチが台湾を通過することは無い。このようなことは卑劣であり、到底受け入れがたい。聖火は中国以外の国から台湾に入り、中国以外の国に出て行くべきだ」と13日遅くに語った。声明ではこのルートは、「中国が台湾を卑小に扱おうとする為の口実である」と発表している。

 一方中国本土側は、聖火ルートは五輪憲章に則ったもので台湾五輪委員会の了承を得ているとし、スポークスマンは「本土側としては、行政院大陸委員会が政治的な干渉無しで、このルート設定を受け入れてくれる事を祈っている」と13日に語った。

 台湾が独立を宣言すれば本土側は侵攻すると脅すなど、台湾と中国本土の緊迫した関係があるが、1か月以上にもなるこの聖火リレーのコース問題について、国際的な注目浴び、どちらも頑なな態度を示している。行政院大陸委員会の情報主任であるJames C.L. Huang氏は、「台湾にとって、聖火リレーは象徴的であり大事なものですが、台湾としてのアイデンテティーもまた大事なのです。全世界中が注目しています」と、13日AFPに語った。(c)AFP