【5月31日 AFP】ニュージーランド・ラグビー協会(New Zealand Rugby UnionNZRU)のスティーブ・ チュー(Steve Tew)CEOは31日、オールブラックス(ニュージーランド代表)が11月2日に開催を検討している日本代表との親善試合は若い選手に出場のチャンスを与えるためのものであり、金儲けのために行うものではないと話した。

 チューCEOは、テストマッチの開催についてあくまでもまだ協議中と強調しているが、もし実現にいたったとしても多大な経済的利益が生まれることはないと話す。

 地元のラジオ局「ラジオスポーツ(RadioSport)」のインタビューで、チュー氏は「そこまで利益は出ないと思う。日本側と利潤は分配することになるし、大きな球場を手配することができなかったので、試合は収容人数2万人くらいの東京の小さなスタジアムで行われる」と話した。

 オールブラックスには2011年ラグビーW杯ニュージーランド大会(Rugby World Cup 2011)の優勝チームのメンバーがいまだに多く在籍しているが、2015年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)を控え、コーチ陣は若手の育成を望んでいるとチュー氏は語る。

 しかし経験が未熟な若手選手を、強豪国の代表チームと対戦させることに懸念があるため、妥協案としてブレイブ・ブロッサムズ(Brave Blossoms)の異名を持つ日本との対戦を提案したという。

   「オールブラックスは、若くて未熟な選手を活躍させることができるテストマッチの相手を探していた。しかし我々には敗戦は許されないので、オールブラックスが敗れる可能性がある強豪国のアイルランドやウェールズなどではない国とやりたかった」

■2019年W杯に向けて、日本での知名度を上げたいオールブラックス

 またチュー氏は、2019年ラグビーW杯(Rugby World Cup 2019)の開催を控えいる日本でテストマッチを行うことは、同国でオールブラックスのネームバリューを高めることにもつながると話す。

   「2019年には日本で行われるW杯に出場する。それまでに日本でニュージーランド代表の知名度を上げることができたら、我々は現地のファンにとって2番目に好きなチームになれるかもしれない」

 フランス、イングランド、アイルランドと対戦する11月の欧州遠征に先がけて行われることが予定されているこのテストマッチは、オールブラックスとブレイブ・ブロッサムズにとって初の日本での対戦となる。

 オールブラックスと日本代表はこれまで1995年と2011年のW杯で1度ずつ対戦しており、どちらの試合でもオールブラックスが勝利している。1995年大会の対戦ではオールブラックスは145-17で大勝した。

 また、両チームは1987年にニュージーランドで2度対戦したが、テストマッチとしては扱われなかった。

 2009年のブレディスロー・カップ(Bledisloe Cup)でオールブラックスは一度来日しており、その時はワラビーズ(オーストラリア代表)を32-19で下している。(c)AFP