【12月25日 AFP】マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao、フィリピン)とフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)の5階級制覇者同士によるボクシングの試合が3月に行われないことが24日、分かった。プロモーターのボブ・アラム(Bob Arum)氏が明かした。

 5階級制覇を成し遂げたフィリピンの英雄パッキャオと無敗で5階級制覇を達成したメイウェザーの一戦はラスベガス(Las Vegas)での開催が計画されており、両者のファイトマネーは4000万ドル(約36億6000万円)ずつにも及ぶ。

 パッキャオのプロモーターを務めるアラム氏は、メイウェザーがより厳格な米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping Agency、以下USADA)の血液検査を受けるよう求めており、調整が難航していることを明らかにした。

 メイウェザーが契約するゴールデン・ボーイ・プロモーション(Golden Boy Promotions)のリチャード・シェーファー(Richard Schaefer)氏は、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙に対して試合中止は「ボクシングにとって大きな損失」であり、「ボクシングにとっても両選手にとってもマイナス」と話している。

 試合は2010年5月1日に当初予定されていたが、パッキャオがフィリピンで5月に行われる下院選へ出馬するため、3月に変更となった。また、パッキャオは5月13日、ポール・マリナッジ(Paul Malignaggi、米国、27勝3敗5KO)との対戦が計画されている。

 メイウェザーは通常より厳しい血液と尿の検査実施を強く求めているのに対し、パッキャオは、1月、試合の1か月前、試合後に検査を受けるとしている。メイウェザーは試合当日も含めた抜き打ちでの血液検査が可能となるUSADAのプログラムに固執している。

 両選手は、ともに試合直前と直後に尿サンプルを提出する一般的なドーピング検査で、運動能力向上薬の陽性反応が検出されたことがない。

 アラム氏は調整の最終期限を24日に定めていた。また、同氏によるとパッキャオはUSADAが米国出身のメイウェザーに手心を加えるとみているという。(c)AFP