【8月13日 AFP】陸上選手のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が金メダルに輝いた瞬間、空にボルト(稲妻)が走る――。

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 そんな、写真家にとっては夢のような構図を、AFPのカメラマンであるオリビエ・モラン(Olivier Morin)氏が、11日に行われた第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)の男子100メートル決勝でレンズに収めた。

 世界中のフォトグラファーやスポーツファンらが見惚れたその写真は、ソーシャルメディアを通して広がり、ツイッター(Twitter)では何千回もリツイートされた。

 AFPの伊ミラノ(Milan)支局を拠点にする現在47歳のモラン氏は、写真が撮れたのは自分の手柄ではないと話し、評価のほとんどを自身は受けるに値しないと語る。

「正直に言うと、自分はショットのフレームを決めることと、カメラのリモコンを押すことだけしかしませんでした」とモラン氏はAFPのブログでコメントした。 「そしてあの稲妻。もちろんあれは私が計画したものではありません」

 AFPで23年間のキャリアを持つベテランフォトグラファーのモラン氏は、トラック脇に5つのリモコン操作カメラを設置し、その全てのピントをボルトのレーンに合わせていた。当初は勝利を決めて両手を宙に上げるボルトの姿を撮ろうと思い描いていたという。

「ウサイン・ボルトの写真にボルトが写っていることが、この写真の一番の特徴です。この稲妻なしでは、別に何ともない普通の写真です。いい画が撮れたと自分でも思ったけど、ここまでの反応があるとは予想していませんでした」

 英紙ガーディアン(Guardian)はモラン氏の写真を「2度と撮れないであろう写真」、ニュースサイトのハフィントン・ポスト(Huffington Post)は「驚くべき」写真と伝え、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)はこれを「今日の一枚」に指定した。

 アイルランドのスポーツサイト、ザ・スコア(The Score)に至っては、「ここ10年間で一番かっこいい写真」と称している。(c)AFP