【6月12日 AFP】陸上、男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は11日、今季に入って芳しい成績を残していないにもかかわらず、8月に行われる第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)では優勝を狙っていると語った。

 五輪で6つの金メダルを獲得しているボルトは、世界陸上で200メートルを2連覇中であり、また100メートルと200メートルの世界記録保持者でもある。

 ところがボルトは、6日にイタリアのローマ(Rome)で行われたダイヤモンドリーグ2013(IAAF Diamond League 2013)第5戦、ゴールデンガラ(Golden Gala Roma)の100メートルで、2004年アテネ五輪の100メートル優勝者である米国のジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)に敗れ、2008年以降ではわずか4度目となる敗戦を喫した。

 しかし、その後ボルトはすぐさま自分への批判を一笑に付し、ハムストリングの故障によって妨げられたことはあるものの、敗戦を引っさげて世界陸上に臨むことに対しては心配していないと話した。

「今シーズンは好調なスタートを切ったものの、小さなハムストリングの問題を抱えてしまって、それがちょっとした妨害になった」とノルウェーのオスロ(Oslo)で開催されるダイヤモンドリーグ2013第6戦、エクソンモービル・ビスレット・ゲーム(Exxon Mobil Bislett Games)を13日に控えたボルトは話す。

「再び記録を破れるレベルに戻れるかどうかはトレーニングで判断しなければいけない。まだ時期尚早で、何が必要かはわからない」

「タイソン・ゲイ(Tyson Gay、米国)はすでに高いレベルに達している。ガトリンは良い走りを見せているが、クリストフ・ルメートル(Christophe Lemaitre、フランス)に負けた。そしてヨハン・ブレイク(Yohan Blake、ジャマイカ)はこれからけがから復帰する。これから数週間に何が起きるかはお楽しみだ」

 2008年の北京五輪と2012年のロンドン五輪では卓越した結果を残したものの、2011年の第13回世界陸上大邱大会(13th IAAF World Championships in Athletics Daegu)の100メートルではフライングで失格となったボルトは、長期に渡ったトレーニングを終え、これから勝利を狙っていきたいと言う。

「トレーニングはがんばった。脚の具合はとても良いのでとても嬉しく思っている。今必要なのは、国内選考会が始まる前にいくつかのレースで勝つことだ」

 昨年のジャマイカの五輪選考会でボルトは、自身のトレーニングパートナーであるブレイクに100メートルと200メートルで敗れたが、その時の敗戦のことを思い出してほしいと語る。

「僕は2008年に一度負けたが、その後の(北京)五輪で金メダルを獲っている。2010年にはゲイに負けた。昨年は国内選考会でブレイクが僕を破ったが、その後僕は(ロンドン)五輪で連覇を果たした。だから関係ないことだよ」

「今僕が念頭に入れているのは世界陸上だけだ。モスクワでの100メートルと200メートルタイトルしか狙っていない。タイトルを防衛することには相当の自信がある」

「再び言うが、僕は優勝を狙っているよ」

(c)AFP/Luke Phillips