【5月31日 AFP】低酸素の高所、骨身にしみる低温──150人を超える健脚ランナーたちが29日、世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)を走る過酷なマラソンに挑戦した。

 世界最高所のフルマラソン「テンジン・ヒラリー・エベレストマラソン(Tenzing-Hillary Everest Marathon)」は、英登山家エドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)卿とシェルパのテンジン・ノルゲイ(Tenzing Norgay)氏が1953年5月29日に世界で初めてエベレスト登頂に成功したのを記念する恒例イベントの1つだ。

 レースは朝7時に標高5356メートルにあるエベレスト・ベースキャンプ(Everest Base Camp)近くの町ゴラク・シェプ(Gorak Shep)をスタートし、標高2000メートル下にある町ナムチェ・バザール(Namche Bazaar)を目指す。

 ベースキャンプ付近の大気の酸素濃度は海抜ゼロ地点の約半分。狭く険しい山岳コースを進めば、ほんのわずかな傾斜でもランナーたちの息は切れる。29日、スタート時の気温は零度前後を行き来していた。

   主催者によればコース上には仏教の僧院や数々の建造物、つり橋などがあり「世界で最も冒険に満ちたコースだろう」という。

 ゴール地点からAFPの電話取材に応じた主催側のシカール・パンディ(Shikhar Pandey)さんは、次のように語った。「参加者は外国人93人、ネパール人62人。今年はこのマラソンの10周年ですが、最初の年には外国人は2人しかいませんでした」

   「このマラソンはネパールのアドベンチャー観光の草分けで、まだ新しい。ネパールはこのように美しい国なので、トレイル・ランニングに参加する人も増えており、わが国としてもこの市場への進出を本格化しています」

 今年の優勝者はネパール人ランナーのプルバ・タマング(Phurba Tamang)さん。3時間41分31秒でこのコースを駆け抜けたが、自らが持つ2年前の記録にはわずか11秒及ばなかった。(c)AFP

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