【8月20日 AFP】(21日写真追加)第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)女子800メートル決勝。キャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)が、シーズン世界最高記録となる1分55秒45で優勝した。

 しかし、レース後に国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations、以下IAAF)は、優勝したセメンヤに対して性別検査を受けなければならないとした。

 セメンヤには、2009年に行われた国内競技会の800メートルと1500メートルで飛躍的に記録を伸ばしたことで、性別を疑う声が上がっていた。そして、今大会でも前回王者のジェネス・ジェプコスゲイ(Janeth Jepkosgei、ケニア)に2秒半以上の差をつけて圧勝したことで、セメンヤに対して再び疑惑が浮上した。

 レース後の記者会見を欠席したセメンヤに代わり、会見を行ったIAAFのピエール・バイス(Pierre Weiss)事務総長は「私が今夜の勝者の代役を務める。南アフリカとベルリンで2つの検査が実施されている」と語った。

 会見でバイス事務総長は「私は医者じゃないが、検査を行ったすべての医者がこの種のテストは数週間から数か月かかると言っている」と語り、性別検査の結果はしばらく分からないと繰り返している。

 バイス事務総長は、セメンヤのように若く経験の浅い選手が報道陣の前に登場するのは公正ではないと強調している。

 バイス事務総長は「あなた方が彼女と話をしたいのは承知しているが、彼女は若く未熟であり、あなた方のすべての質問に正確に答えることはできない。私が彼女のために答える。彼女を会見に出さないという判断は、IAAFと南アフリカ陸上連盟(Athletics South AfricaASA)が下した。繰り返すが、彼女は今回のような状況に対する心構えができていない。検査結果で彼女が女性ではないことが分かった場合、われわれは彼女のメダルを取り消し、それを再び分配する。だが、現段階で彼女の走りを妨げるものは何もない」と語っている。(c)AFP/Pirate Irwin