【3月2日 AFP】男子棒高跳びで北京五輪陸上の金メダリスト、オーストラリアのスティーブ・フッカー(Steve Hooker)選手を含む「世界最高峰トリオ」が、豪シドニー(Sydney)の空港の天井を「破壊」する一幕があった。

 現場に居合わせたのは、フッカー選手のほか、同じ豪州のポール・バージェス(Paul Burgess)選手、2004年アテネ五輪金メダリストである米国のティモシー・マック(Tim Mack)選手。

 トレーニング仲間である3人は、超過サイズ手荷物の申込窓口で、長さ5.2メートルある愛用の棒高跳び用ポールの手荷物扱い許可を得られなかった。

 そこで3人は高跳び棒を持ったまま、空港内を移動し始めたため、問題が発生。

 バージェス選手によると、運んでいた棒がエスカレーターの真上の天井に引っかかり、バージェス選手が外そうとしたところ「空港を壊してしまった」という。エスカレーターと天井の間に棒が挟まり、天井を突き破ると、バージェス選手の上にはたちまち、しっくいが降り注いだ。

 バージェス選手は、「エスカレーターで降りようとしてたんだ。僕の後ろにはスティーブ(フッカー選手)がいた。僕は、上からガラスのパネルが下がってるのに気付いたから、ポールをなるべく下げて、スティーブの方を振り向いて『ガラスにぶつけるなよ』って叫んだら、自分の持っていた棒が壁にあたって天井を突き破ってしまったんだ」と全国紙オーストラリアン(Australian)に語った。

 通りがかった人が機転を利かせて緊急停止ボタンを押し、棒が折れる前にエスカレーターは止まった。フッカー選手によると、エンジニアが駆け付けてエスカレーターを逆運転させ、高跳び棒が外されたのは45分後だった。

 思わぬ事故だったが、選手3人も無事、1本800豪ドル(約5万円)する高跳び棒6本もすべて無傷で、3人はその後、5日にメルボルン(Melbourne)で行われる国際陸上競技連盟(IAAF)の大会へ向かった。(c)AFP