【1月14日 AFP】国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations:IAAF)は14日、北京五輪出場を切望している南アフリカの脚切断ランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)の同五輪出場を認めないことを発表した。

 2004年に行われたアテネ・パラリンピック陸上で金メダルを獲得している同選手は、2007年11月にドイツで自らが使用している特殊なカーボン義足の科学的なテストを受けており、テストの結果を受けたIAAFのラミーネ・ディアック(Lamine Diack)会長は結論を同連盟の諮問委員会に委ねていた。

 IAAFによると、ピストリウスと体格や競技力が似ている一般選手5人を集めて行われたテストの結果、同選手は一般選手と同じ速度で走った際のエネルギー消費量が他選手より約25%少ないなどの優位性が明らかになったため、義足が競技に有利に働く人工装置の利用を禁じたIAAF規則第144条2項に違反していると考えざるをえないとしており、IAAF主催大会への出場も禁じることを発表した。

 この決定を受けてピトリウスは「障害を持つ全ての競技者の代表として、断固たる態度で臨むことが自分の責務だと感じている。今回の決定に対して最高レベルの場に控訴し、五輪出場を目指し続ける」とコメントした。(c)AFP