【8月22日 AFP】8月25日に開幕を控える第11回世界陸上大阪大会(11th IAAF World Championships in Athletics Osaka)の男子200メートルでは、男子100メートルとの2冠を目指すタイソン・ゲイ(Tyson Gay)を筆頭に、ゼイビアー・カーター(Xavier Carter)やウォレス・スピアーモン(Wallace Spearmon)ら米国の3選手に高い注目が集まっている。

 中でも優勝候補筆頭とされるタイソン・ゲイは、マイケル・ジョンソン(Michael Johnson、米国)の持つ世界記録19秒32に僅か0秒30と迫る世界歴代2位の記録を2007年6月に行われた全米選手権で記録しており、カーターやスピアーモンを抑えタイトル獲得の本命となった。全米選手権の男子200メートルでタイソン・ゲイに次ぐ2位を獲得したスピアーモンは、「私は彼のスピードについていくことが出来なかった」とタイソン・ゲイの走りについて語った。タイソン・ゲイが記録した結果はまた怪我と戦っている世界記録保持者のアサファ・パウエル(Asafa Powell、ジャマイカ)に並ぶことができる公算を強めた。

 タイソン・ゲイの出現は、アテネ五輪の男子100メートルで金メダルを獲得したジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)のドーピング問題で沈んでいる米国陸上界に幸福をもたらす存在として大きな期待を受けている。

 開幕を前にインタビューに応じたタイソン・ゲイは、自身とカーター、スピアーモンについて「私たち3人は、これからも厳しいトレーニングを積んでいくだろう。私たちはより多くのお金を必要としていない。トラックを踏むたびに最高の競争をしたいだけだ」と語り、米国スポーツ界のイメージを良くする為に懸命に練習に取り組んだことを強調した。

 2004年に現役を引退したナミビアのフランク・フレデリクス(Frank Fredericks)氏は、米国3選手にジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)を加えた男子200メートルにおける新世代がマイケル・ジョンソンの世界記録を破ると予測している。インタビューでフレデリクスは、「ここ数年、男子200メートルでは新しい才能の登場に苦しんでいたが、現在では4人の優秀な選手たちを見ることが出来る。私は彼等の中で誰が勝ってもおかしくないと思っている。おそらく2008年には、19秒2という記録を出すことも可能だ」と語り、新世代と呼ぶ選手たちの才能を高く評価した。

 タイソン・ゲイが優勝候補に挙げられる中、世界歴代3位となる19秒63の記録を持つカーターや2005年の世界選手権で銀メダルを獲得したスピアーモンが最大のライバルに挙げられる。特にスピアーモンは、男子300メートルの世界記録を保持しており、200メートルでも世界歴代4位となる19秒65を記録しており、タイソン・ゲイを抑えて金メダルを手にする可能性は十分にあると予想される。(c)AFP/Talek Harris