【8月1日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)のギャレス・ベイル(Gareth Bale)が31日、アンドレ・ ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)監督にレアル・マドリード(Real Madrid)移籍を志願し、チームの練習場を後にした。英スカイスポーツ(Sky Sports)が伝えている。

 ベイルはクラブの練習場におよそ5時間滞在し、史上最高額の移籍になるとうわさされているレアル・マドリード移籍について、ビラス・ボアス監督に直談判したとされている。

 ビラス・ボアス監督はプレシーズンツアーのため滞在していた香港で先日、12-13シーズンに公式戦26得点を記録し、その評価が高まっているベイルと契約延長に向けて話し合っていることを明らかにしていた。

 交渉に関して楽観的な姿勢を見せていたビラス・ボアス監督だが、ベイルと合意に達することができなかったことで、同選手の去就は不透明なものになった。

 それ以降、英国とスペインで報道が過熱し、ベイルの移籍金は2009年にマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)からスペイン1部リーグのレアル・マドリードに加入したクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)の移籍金8000万ポンドを上回ると報じられている。

  英紙ガーディアン(Guardian)は、レアル側がベイル獲得のために史上最高額となる移籍金1億ポンド(約149億円)を提示したとしている。また、スペインのスポーツ紙マルカ(Marca)によると、スパーズ側はレアルに対して1億2500万ポンド(約186億円)を要求したと伝えている。

 また、トッテナムのダニエル・レビー(Daniel Levy)会長が、現在米国ツアー中のためレアルが滞在しているマイアミ(Miami)で、来週にもレアルのフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長と会談すると報じられている。

 英大衆紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)は、レビ―会長はベイルに見合った金額を強く要求していると同時に、ベイルと同様に交渉が難航しながらも、昨年トッテナムからレアル・マドリードに移籍したルカ・モドリッチ(Luka Modric)の復帰を望んでいるとしている。

■ジダン氏「レアルでプレーするチャンスなんてめったにない」

 レアル・マドリードで活躍した元フランス代表のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏は、「ベイルがレアルに加入したいという願望を明らかにしたのであれば、トッテナムは彼に私たちと話し合う許可を与えなければならない」と語っている。

「現役生活の中で、レアル・マドリードでプレーするチャンスなんてめったにない。それをギャレスが逃したくないと思うのも無理はない」

 レアル・マドリードに所属するスペイン代表GKのイケル・カシージャス(Iker Casillas)は、「欧州でもトップ3に入る選手の一人だ」と評価し、ベイルを歓迎する意向を示している。

 ベイルは負傷のためチームの練習に合流できず、香港で行われた2試合を欠場している。トッテナムは2日にフランス・リーグ1のASモナコ(AS Monaco)との親善試合を予定しているが、ベイルが出場するかどうかは明らかにしていない。

 ウェールズのカーディフ(Cardiff)出身のベイルは、2007年にサウサンプトン(Southampton FC)からトッテナムに加入し、昨年6月にはクラブと新しく4年契約を結んだ。(c)AFP