【7月14日 AFP】イングランド・プレミアリーグのフラム(Fulham)を買収したパキスタン出身の実業家、シャヒード・カーン(Shahid Khan)氏が13日、同クラブの本拠地クレイヴン・コテージ(Craven Cottage)を初めて訪れ、モハメド・アルファイド(Mohamed Al-Fayed)氏の成果を基に前進していくと語った。

 米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のジャクソンビル・ジャガーズ(Jacksonville Jaguars)のオーナーでもあるカーン氏は、12日にアルファイド氏とクラブ買収で合意に至った。フラムのオーナーが変わるのは16年ぶり。買収額は1億5000万ポンド(約225億円)とみられている。

 買収後初めてメディアの前に姿を見せたカーン氏は、アルファイド氏に敬意を表しながらも、12-13シーズンのリーグ戦を12位で終えたフラムが、さらなる成功を収めることができると考えを明らかにした。

「素晴らしいリーダーシップがあるここで、私は多くを学ばなくてはならない。ピッチで成功を収めるために必要な支えをチームに与えていくつもりだ。歴史を鑑みなければならない。ファンの声を聞いて決断をしていくつもりだ。クラブが持続可能な存在であることを明確にしなければならない」

「特別な場所。完璧なタイミング、完璧なクラブだ。バトンを受け継ぎ、さらに次のレベルに高める」

 英ロンドン(London)老舗高級百貨店ハロッズ(Harrods)の元オーナーだった84歳のアルファイド氏は、1997年にクラブを買収し、当時3部にいたチームをプレミアリーグに定着させた。

 カーン氏は「信じられないことだ。彼はフラムを救い、素晴らしい先見の明を持っていた。彼は私にもそれを分け与えてくれた。フラムのすべてのファンにとって、非常に重要なことだ」とコメントした。

 パキスタン・ラホール(Lahore)出身で、現在米国の市民権を手にしているカーン氏は、自動車部品の製造業で財を成し、総資産25億ドル(約2500億円)で米誌フォーブス(Forbes)の米富豪トップ400人の中で179位に位置している。

 米国人の所有化に置かれているプレミアリーグのクラブは、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、リバプール(Liverpool FC)、アーセナル(Arsenal)、アストン・ビラ(Aston Villa)、サンダーランド(Sunderland AFC)で、フラムが6チーム目となっている。(c)AFP