【6月1日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)は31日、同クラブに所属するルイス・スアレス(Luis Suarez)について、「売りに出していない」という声明を発表した。

 スアレスは30日に行われたサッカーウルグアイ代表の記者会見で、英国のメディアやパパラッチからの嫌がらせのせいで、リバプールでの居心地が悪くなったと話した。

 しかしリバプールは、スアレス本人から退団希望を伝えられてないとし、2012-13シーズン頭に交わした長期契約をスアレスが満了することを期待しているとの声明を出した。

「スアレスは売りに出さない。ルイス本人や、彼の代理人がリバプールに退団の意志を語ったことはない。クラブは今後ルイスのサポートを継続し、彼が契約を履行することを求める。クラブからはこれ以上のコメントは差し控えさせていただく」

 今季リバプールで30得点を挙げ、チームの得点ランキングではトップとなったスアレスだが、4月21日に行われたチェルシー(Chelsea)戦で対戦相手のブラニスラフ・イヴァノヴィッチ(Branislav Ivanovic)にかみついたため、イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)から10試合の出場停止処分に科され、2012-13シーズンを終えた。

 この出来事がきっかけとなって、メディアから過剰な注目を浴びたため、スアレスは将来について考え直したという。

 スアレスはウルグアイ代表の記者会見で、「去りたいと思う理由は金銭的なものではない。もし金だったら、もうとっくにいなくなっている」と話した。

「僕にとって大切なのは家族と自分のイメージだ。今、僕は厳しい局面を迎えている。監督やチームメイトはみんな、(英国メディアの)僕に対する扱いが悪いことを知っている。僕にとってリバプールはもう居心地が良くない。みんなそれを知っているから僕が去ることも、理解できると思う」

 スアレスは、イヴァノヴィッチとの騒動の負は自分にあると認めているものの、メディアの反応は「やり過ぎだった」と話す。
 
「パパラッチに常に追いかけられて、自分の庭先や、スーパーに行くことだってままならなかった。何もできなかったんだ」

 また、スアレスは移籍を望んでいる一方で、もし他のクラブからオファーがなかったらリバプールに所属し続けなければいけないかもしれないと語った。

「まだ他のクラブからオファーは受けていない。いつ移籍するのかも、むしろ移籍できるかもわからない。クラブは僕の意志をわかってくれている。何が起こるかわからないけれども、クラブとの契約もある」

「もしリバプールに留まることになるなら、自分のベストを尽くしたい。だけどメディアから嫌がらせを受けているのでそうなることはないと思う。チームは何が起こっているか理解している」

(c)AFP