【5月10日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は9日、退任を発表したアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督の後任に、エバートン(Everton)のデビッド・モイーズ(David Moyes)監督が就任すると発表した。

 2002年からエバートンで指揮を執っているモイーズ氏の契約期間は6年で、7月1日にファーガソン監督からチームを引き継ぐことになっている。

 クラブを率いた26年間で主要タイトルを38個獲得したファーガソン監督は、自ら後継者にモイーズ氏を推薦したことを明らかにしている。

 ファーガソン監督は声明で、「話し合いを行った結果、適切な資質を備えていると判断し、満場一致で後継者にデビッド・モイーズ氏を選出した」とコメントした。

「デビッドは仕事への取り組み方が素晴らしい高潔な人物だ。私は長年にわたり、彼のことを高く評価してきた。若くしてキャリアをスタートさせ、その後はエバートンで素晴らしい仕事をし続けている。このクラブの指揮官に求めている資質が彼に備わっていることは疑うまでもない」
 
 欧州チャンピオンズリーグで指揮を執った試合はわずか2試合で、エバートンを率いた11年間でトロフィーを獲得できなかったモイーズ氏だが、資金面で劣るエバートンを6シーズン連続でリーグ上位8位以内に導いており、その手腕は高く評価されている。

 モイーズ氏はマンチェスター・ユナイテッドから発表された声明で、「マンチェスター・ユナイテッドの次期監督に選出されたことを、とても光栄に思う」と語った。

「サー・アレックスがこの仕事に私が適任だと思ってくれたことを喜んでいる。私は彼がクラブに尽くしてきたことのすべてに大きな敬意を持っているんだ」

「最高の指揮官の後を継ぐことが、どれだけ難しいことなのか理解している。しかし、マンチェスター・ユナイテッドを率いるチャンスはそう簡単にいただけるものではない。来シーズンから、その役割を担えることをとても楽しみにしている」

■シーズン終了後の監督退任を発表したエバートン、後任はウィガンの指揮官か

 一方、エバートンは同日、シーズン終了後にモイーズ監督が退任することを発表した。

 エバートンは声明で、「監督は8日夜にビル・ケンライト(Bill Kenwright)会長と会談を行い、マンチェスター・ユナイテッドの監督に就任する意向を伝えた」としている。

 モイーズ監督の後任にはウィガン(Wigan Athletic)のロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)監督の名前が挙がっているが、マルティネス監督はクラブとの接触を否定しており、現在はマンチェスター・シティ(Manchester City)とのFAカップ決勝のことだけを考えていると話している。

 モイーズ氏はマンチェスター・ユナイテッドを率いて7月にタイ、オーストラリア、日本、香港を回るアジアツアーを行い、8月11日に行われるFAカップ優勝チームとのFAコミュニティーシールド(FA Community Shield 2013)が、ユナイテッドでの公式戦初陣となる。(c)AFP/Tom WILLIAMS