【4月9日 AFP】イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)は8日、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)欧州予選の試合で、イングランドのサポーターがリオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)と、その弟で同じくサッカー選手のアントン・ファーディナンド(Anton Ferdinand)に向けて人種差別的なチャントを行ったとされる証拠を発見することができなかったと発表した。

 反人種差別団体「Football Against Racism in Europe(FARE)」は、先月22日にサンマリノのセラヴァッレ(Serravalle)で行われ、イングランドがサンマリノに8-0で大勝した一戦でサポーターがファーディナンド兄弟に向けて侮辱的なチャントを発したとFAや国際サッカー連盟(FIFA)に報告していた。

 FAのアドリアン・ベヴィントン(Adrian Bevington)氏は、「警備チームから聴取したすべての証拠を文書にまとめてFIFAに提出するよう求められた」と英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に明かした。

「チャントを発した人物を見つけ出すことも、特定することもできなかった。とはいえ、聴取した人物がチャントを耳にしたという事実に対して異論を唱えるつもりではないことをはっきりさせたい」ともコメントした。

 イングランドサポーターが陣取るスタンドで、ファーディナンド兄弟を火あぶりにしてしまえというチャントが起きたことが疑惑の対象となっている。

 イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属するリオは、サンマリノ戦のためにおよそ2年ぶりに代表招集を受けたが、事前に計画していたトレーニングと予定が重なることを理由に出場を辞退したことでサポーターの怒りを買った。(c)AFP