【4月8日 AFP】12-13イングランド・プレミアリーグは7日、第32節の試合が各地で行われ、チェルシー(Chelsea)は2-1でサンダーランド(Sunderland AFC)に勝利した。

 敵地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)で敗れたサンダーランドは不運もあり、パオロ・ディ・カニオ(Paolo Di Canio)新監督のデビュー戦はチェルシーに徒労に終わった。

 前半45分、サンダーランドがチェルシーのセサル・アスピリクエタ(Cesar Azpilicueta)のオウンゴールを誘発して1点リードで前半を終えた際は、ディ・カニオ監督が自らの初陣を見えない糸で操っているかのように思われた。

 チームも善戦していたが、後半2分にサンダーランドはマシュー・キルガロン(Matthew Kilgallon)がオウンゴールを犯したことでディ・カニオ監督の運が尽きた。さらに同10分にはチェルシーのブラニスラフ・イヴァノヴィッチ(Branislav Ivanovic)の足に当たったボールがそのままネットに吸い込まれ、これが決勝点となった。

 ディ・カニオ監督には、ブラックキャッツ(Black Cats 、サンダーランドの愛称)との出会いが不吉なものではなかったと証明するために6試合が残されている。一方、公式戦3連勝のチェルシーは上昇気流に乗ってシーズンの終盤を迎える。

 チェルシーにとってこの1週間は、1日のFAカップ(FA Cup 2012-13)準々決勝、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦の勝利に始まり、4日に行われたヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2012-13)準々決勝第1戦、ルビン・カザニ(Rubin Kazan)戦でも白星を重ねた。

 勝ち点3を獲得したブルース(Blues、チェルシーの愛称)は4位のトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)、5位のアーセナル(Arsenal)を抑えて3位に浮上している。

 一方、マーチン・オニール(Martin O'Neill)前監督の後任として先月31日に就任が発表された際は、ディ・カニオ監督が持つ極右の政治思想を否定的にとらえる見出しとともに各メディアが一斉に報じた。しかし、降格圏争いの渦中にいるサンダーランドのサポーターの本当の懸念は、感情的になりやすい性格や指揮官として目立った功績を残していないことだった。

 選手時代はイタリア・セリエAのラツィオ(SS Lazio)やプレミアリーグのウェストハム(West Ham)でFWとして活躍したディ・カニオ監督は、急激に落ち込んだサンダーランドのチーム事情を受けて指揮官に就任したが、いら立ちが募る敗戦を喫してしまった。チームは9試合連続で未勝利が続き、状況はさらに深刻なものとなっている。(c)AFP/Steve Griffiths