【2月28日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)を率いるラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)暫定監督が27日、今季限りで退任を明言した。

 2012年の11月にロベルト・ディ・マッテオ(Roberto Di Matteo)前監督の解任を受けて指揮官に就任したベニテス暫定監督だったが、一部サポーターとの確執が絶えることはなく、その我慢も限界に達した。

 チームは、同日行われたFAカップ2012-13(FA Cup 2012-13)5回戦でミドルスブラ(Middlesbrough FC)を退けて準々決勝を果たし、ヨーロッパリーグ2012-13(UEFA Europa League 2012-13)では16強入りを決めているが、リーグ戦では4位に順位を落としている。

 当初から一時的に指揮を執ることで指名を受けていたベニテス暫定監督だが、ミドルスブラ戦後の記者会見では、チェルシーの一部ファンからの誹謗中傷によって正式監督としてチームを指揮する野望が砕かれたと、怒りをあらわにした。

「サッカーの指導者として26年の実績がある。欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)、クラブW杯(FIFA Club World Cup)、FAカップ、イタリア・スーパーカップ(Italian Super Cup)、2度のスペイン1部リーグ制覇など合わせて9つのトロフィーを手にしており、クラブとして狙えるすべてのタイトルを手にした」

 また、ベニテス監督はあくまでも短期的な雇用形態であると主張するクラブ側への不満もこぼした。

「『暫定監督』という肩書がつけられたが、それが過ちだった。今季限りでチームを去るのだから、(一部のファンも)私のことで時間を無駄にする必要はない」

「チームをサポートするという本来の役目に徹してほしい。結局のところチームのためにならないし、他のサポーターや選手にも悪影響となる」

「試合ごとに批判的なチャントを歌い、バナーを用意するなんて時間の無駄だ。サポーターの本分はチームを応援することだ」

 チェルシーでの初采配時にブーイングを受けたベニテス暫定監督は、ミドルスブラ戦の試合中にも野次を受けていた。(c)AFP