【1月22日 AFP】西ロンドン治安判事裁判所(West London Magistrates Court)は21日、イングランド・プレミアリーグの試合に出場していた2選手に対して人種差別的な発言をした男に対して有罪を言い渡した。

 エバートン(Everton)のサポーターである42歳の男は、2012年10月21日に行われたクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park RangersQPR)対エバートンの試合を観戦するために妻、16歳の娘、11歳の息子、3歳の孫と共にQPRの本拠地ロフタス・ロード(Loftus Road Stadium)を訪れた。1-1の引き分けに終わった試合で男は、QPRの朴智星(Park Ji-sung、パク・チソン)とエバートンのヴィクトル・アニチェベ(Victor Anichebe)両選手に対して人種差別的な言葉を浴びせた。

 スタジアムに居合わせ、証人として出廷したエバートンのサポーターは、男の発言を聞いて「憤り」を感じたと言い、係員に突き出す前に男の画像をウェブ上に投稿したという。証人の男性は、男がナイジェリア出身のアニチェベに向かって「黒い猿」と差別用語を含む人種差別発言を浴びせたと証言した。

 また、その場にいた別のエバートンのサポーターは男が韓国出身である朴智星を「チンク(中国人に対する差別語)」呼ばわりしたことを証言している。同サポーターは「これまでサッカーの試合には何度も訪れているが、あまりにひどかった」と証言した。

 判事は、「当該選手が発言を実際に耳にしたという証拠はないが、もし聞いていたら気分を害しているだろう」と判決で述べている。

 イングランドのリバプール(Liverpool)に住む男は人種差別的発言を否認しており、意図的に差別したのではないと主張しているが、有罪が確定している。量刑は2月11日に言い渡されるが、判事は保護処分になることはないだろうと見通しを述べた。(c)AFP