【7月16日 AFP】イングランドサッカー協会(Football Association、FA)は、人種差別発言疑惑で起訴され、無罪判決を受けたイングランド代表のジョン・テリー(John Terry)に対し、人種差別発言で出場停止処分を科されたルイス・スアレス(Luis Suarez)と同様の処分を促す声が挙がっている。

 イングランド・プレミアリーグ、チェルシーに所属するディフェンダー(DF)のテリーは、2011年10月に行われたリーグ戦でクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park Rangers、QPR)に所属するアントン・ファーディナンド(Anton Ferdinand)に対する差別発言で起訴され、ロンドン・ウェストミンスター司法裁判所(Westminster Magistrates Court)で行われた5日間の公判の末に無罪判決が確定した。

 公判でテリーは暴言を吐いたことを認めながらも故意に発言したのではないと否定し、ハワード・リドル(Howard Riddle)裁判長はこれを認め、真意確認が不可能であることなどから無罪の結論を出した。

 一方、リバプール(Liverpool FC)に所属するウルグアイ代表のスアレスは、2011年12月のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦でパトリス・エヴラ(Patrice Evra)に人種差別的発言をしたとして、FAにより8試合の出場停止処分が科された。

 FAの懲罰委員会は、スアレスが定められた暴言に関する規範に背いたとして処罰を下した。ポール・グールディング(Paul Goulding)弁護士率いる同委員会は「論点となるのは、単純にその言葉や態度が侮辱的かどうかであり、被告人が故意に発言したか否かではない」と説明している。

 テリーは欧州選手権2012(Euro 2012)開幕まで数ヶ月と迫った2月にFAによりイングランド代表主将の座を剥奪され、当時同代表監督を務めていたファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏はこれに反対の意思を示して監督を辞任した。テリーは、欧州選手権では代表メンバー入りを果たしている。(c)AFP