【7月14日 AFP】ロンドン・ウェストミンスター司法裁判所(Westminster Magistrates Court)は13日、人種差別発言疑惑で起訴されたサッカーイングランド代表の元主将ジョン・テリー(John Terry)に対し、無罪判決を下した。

 5日間の公判の末にハワード・リドル(Howard Riddle)裁判長が下した結論は、テリーの無罪判決だった。

 白いシャツとグレーのスーツに身を包んだテリーは判決後、外で待ち構えていたメディアやサポーターには何も語らず裁判所を後にした。

 イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)で主将を務めるテリーは、2011年10月に行われたリーグ戦でクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park RangersQPR)のアントン・ファーディナンド(Anton Ferdinand)に人種差別発言を行ったとして起訴された。

 テリーは故意に差別発言を行ったのではないと否定し、ファーディナンドが自分に放った言葉を皮肉に言い返していただけだと主張していた。

 リドル裁判長は、テリーが人種差別主義者ではない証拠があるとことや、ファーディナンドに直接暴言を吐いたかどうか確認されていないことを挙げ、今回の論点はテリーが意図的に侮辱発言をしたかどうかにあるとしている。

 公判でリドル裁判長は、「告発内容にある差別発言に対する目撃情報の信憑性は低く、差別発言を認めているテリーに意図的な侮辱の意思はないことから、試合中にファーディナンドから受けた暴言を言い返しただけとする主張は成立する可能性がある。疑いは残るものの明確ではない点があることから、無罪とする」と語った。(c)AFP