【8月14日 AFP】第12回世界陸上ベルリン大会(12th IAAF World Championships in Athletics Berlin)開幕を15日に控え、北京五輪で男子100メートル、200メートル、4×100メートルリレーでそれぞれ世界新記録を樹立し金メダルを獲得したジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)が、同日午前に行われる100メートル予選に向けて準備はできていると語った。

 ボルトは「(北京)五輪よりも速く走りたいと思う。レースに出場して勝てれば十分だ。今回は北京よりも期待は高まるかもしれないが、ベストを尽くす準備はできている。北京で成し遂げたことで伴う責任も理解しており、昨年より速くなるため一生懸命練習している。何の問題も無い。好調だし、走りたくてうずうずしている」と意気込みを語った。

 米国のタイソン・ゲイ(Tyson Gay)と同じジャマイカのアサファ・パウエル(Asafa Powell)が100メートルではライバルとなるが、ボルトは自分を取り巻く大げさな話は自分なりに受け入れるとした。

 ボルトは「自分にプレッシャーをかけてはいない。4度(1次、2次、準決勝、決勝)あるレースを1つずつ進んでいくつもりだ。自信を持たなくてはならないが、過信は禁物だ。ただ全力を尽くすことははっきりしている。世界陸上では金メダルを獲得していないから、僕にとっては特別な大会だ」と語った。

 100メートルで今シーズン世界最高タイムを記録するなど「戦いに向けて準備している」と語ったゲイは、16日の決勝について9秒60かあるいはそれ以上のタイムで決着がつくとしているが、一方のボルトは、2人の間にライバル心は無いと話した。

 ボルトは、「彼(ゲイ)の背中を追っていたわけではないが、彼が自分がどれだけ速く走るかを話し続けてくるのだから、無視するのは難しい。今シーズンはまだ同じレースに出場していないから、対決を楽しみにしている。僕にとっては戦いではなく、レースであり大会だ。ファイトじゃない。ただ競っているだけなんだ。誰が速いかだって?僕は僕だと言うね。記録に関しては考えていない。日曜日(16日)に表彰台の一番上に立っていられればと願っているが、誰にも予測できない。いつでもチャンスがあるし、僕は無敵じゃない。それでも集中しているし、準備はできている」と話し、タイムが重要なのではなく、優勝も当然の結果ではないとコメントを残した。また、ボルトは優勝した際に新しい勝利のダンスを披露すると明かしている。(c)AFP