【4月19日 AFP】タイのバンコク(Bangkok)で19日午後3時15分(日本時間午後5時15分)ごろ、北京五輪の聖火リレーが始まった。警備のため、2000人を超える警察官と警備担当者が、聖火ランナーを取り囲んだ。

 聖火はサナン・カチョンプラサート(Sanan Kachornprasart)副首相が主催した短い式典のあと、最初のランナーがバンコクの中華街にある華やかな装飾が施された唐門を出発した。80人のランナーが10キロのコースで聖火をリレーする。

 式典でサナン副首相は、政治とスポーツを明確に分けるとのタイの立場を改めて確認するとともに、平和的で秩序ある聖火リレーを行う準備は整っていると述べた。

 現地のAFP記者によると、リレーの出発地点には数百人が見物に集まった。中国伝統の曲技や龍の舞いが上演されると、中国人観光客は国歌を歌ったり、国旗を振ったりして声援を送った。

 出発地点から3キロ離れた国連(UN)事務所では、チベット(Tibet)を支援する約60人が集まり、「チベット解放」、「虐殺を止めろ」、「聖火は要らない」などと記されたバナーを掲げてデモを行った。
 
 近くを赤いシャツを着て五輪旗を掲げた親中派のデモ隊約60人が行進し、「中国、頑張れ(China, come on)」、「五輪、頑張れ(Olympics, come on)」などとスローガンを叫んだ。親チベット派の叫ぶ「チベット解放(Free Tibet)」の声と入り交じる状況となったが、警官隊が両グループを引き離した。

 警察は1万人の見物人を見込んで警備に当たっている。中国の人権の現状に抗議するために法を犯した外国人は逮捕、起訴、国外退去とすると警告している。

 中華街を出発した聖火は、川沿いの歴史的地区に続いて官庁街を通過し、午後6時(日本時間午後8時)ごろ、バンコク近郊の王宮に到着する。(c)AFP