【2月27日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグ(EPL)は現地26日、リーグ側に対する一部ファンからの強い反対が起こったためプレミアリーグの海外開催の計画についての進展は更なる時間を要することになると発表した。

 EPLは、今週に予定されていた国際サッカー連盟(FIFA)への計画のプレゼンテーションを無期限に延期すると発表し、2011年からの海外開催計画について「さらなる国内での調査と協議を行う必要がある」と声明を発表した。

 現地28日にEPLのチーフ・エグゼクティブであるリチャード・スクダモア(Richard Scudamore)氏との会合を予定していたFIFAのジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は、2月初旬に「私がFIFAの会長でいる限り(海外での試合開催は)絶対に起こらない」と計画への強い反発を示していた。

 また、FIFAからの事前承認を求めることなく自らの意思を表明したプレミアリーグの各クラブに対し激高したブラッター会長は、FIFAに楯突けば2018年のサッカーW杯のイングランド開催のチャンスをEPLが台無しにしてしまうだろうとも語っている。

 プレミアリーグを1シーズン39試合とし香港(Hong Kong)やドバイ(Dubai)やニューヨーク(New York)といった場所で試合を行うことに関して、アジア・サッカー連盟(Asian Football Confederation:AFC)をはじめイングランドサッカー協会(Football AssociationFA)やマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督やリバプール(Liverpool FC)のラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督らは反対をしている。

 EPLは「この計画は非常に初期の段階にあり、進展や明確化、そして開かれた協議が常に前提の上であった。そして初期の意見が詳細な知識のない状態で生じた事で、多くの人々を困惑させたことに未だに失望しております」と声明を発表し、反対の大きさを認めている。また「FIFAと相談し、我々の計画を延期することを決定いたしました」と海外開催の延期を発表した。

 これに対してFIFAは「今回の進展について満足しており、プレミアリーグ指導部の建設的なアプローチに感謝する」と声明を発表し、一部では事実上海外での試合開催計画の消滅の暗示と解釈されざるを得ないEPLの今回の声明を好意的に受け取っている。

 海外での試合開催計画は、2月7日に行われたプレミアリーグに所属する20チームの幹部による会議後にEPLから発表されていた。(c)AFP/Angus MacKinnon