【9月26日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)のアブラハム・グラント(Avram Grant)監督は25日、カーリング杯2007-08(Carling Cup 2007-08)・3回戦のハル・シティ(Hull City)戦を26日に控え記者会見を行い、退団前のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)前監督が率いていた同クラブはチームとしての方向性を見失っていたと語った。

 チェルシーは現地20日にモウリーニョ前監督が退団するまで3戦勝ち星から見放されており(1敗2分け)、グラント監督は指揮を任された時点でのチーム状態が悪過ぎたとして、チームが不振から脱却するためにはある程度の時間を要することを強調している。

 グラント監督は、モウリーニョ前監督の後任に値することを一刻も早くサポーターに証明する必要があることを理解しているが、23日の初采配ではマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に敗れており、ハル・シティにも敗れた場合、チェルシーのシーズンは混迷を深めるであろう。

 グラント監督は「(3-2で勝利した)バーミンガム・シティ(Birmingham City)との開幕戦と第2節のレディング(Reading)戦の20分間を除いてはシーズンを通して満足なプレーができていない。良いプレーができないので十分に得点を奪うことができない。短時間で多くのことを改善する必要がある。初采配となったマンチェスター・ユナイテッド戦までの4試合では計2得点しか挙げておらず、チームを引き継ぐのに理想的な時期ではなかったが、私はこのチームを信じている。我々には時間が無いということを伝えておかなければならない。練習を通してスタイルを確立する必要がある。現在はそのプロセスの段階であり、それは一日で形になるものではないが、答えを見つけるための十分な時間があるわけではないことも理解している」と語っている。

 限られた時間で結果を残さなければならないことを訴える一方で、7月からスポーツディレクターを務めていたグラント監督「これまでのチームのベースに手を加えてスタイルを改善する必要があるが、チェルシーの選手にはそれができると考えている。短期間でチームを立て直し、年内にもシーズン当初より良い状態のチェルシーを見ることができるだろう」と語り、チームの未来を変えることに自信を覗かせた。

 モウリーニョ前監督は数日前まで共に仕事をしていたグラント監督からの指摘を快くは受け取らないだろうが、選手の数名はグラント監督の就任に納得していないとされており、これまでのパフォーマンスへの新監督の評価にどのような反応を示すかは現段階では定かではないが、グラント監督はマンチェスター・ユナイテッド戦でジョン・オビ・ミケル(John Obi Mikel)が退場となってから見せたチームの決意が同監督の下でのプレーを選手が受け入れていることを証明しているとして、選手から十分なサポートを受けていると主張している。

 グラント監督は「選手からの支持は受けていると思うが、それは彼らの行動によってのみ判断することができる。マンチェスター・ユナイテッド戦で選手たちは高いレベルでその姿勢を示してくれた。それが重要なことだ。彼らは本物のプロフェッショナルであり、現段階では何一つ問題は無い。25人もいれば1人か2人は不満を持つ選手がいるものだが、現在のところその様子は見て取れない。最初の段階にしては思い描いていたよりノーマルな状態だ」と語っている。

 またグラント監督は怪我で離脱していたディディエ・ドログバ(Didier Drogba)、フランク・ランパード(Frank Lampard)、リカルド・カルバーリョ(Ricardo Carvalho)の復帰が間近に迫っていることに胸を撫で下ろしており、モウリーニョ前監督から最も信頼が厚かったドログバとランパードは前監督の退団を受けて復帰を急ぎたくは無いと考えているとされているが、グラント監督は「故障中の選手の姿勢にはとても満足している。ディディエは想定していたよりも一週間早い24日にトレーニングを開始しており、リカルドは25日から練習に合流し、ランパードも順調に回復している。近日中に彼らの顔を見ることができるだろう。彼らは一刻も早くプレーしたがっており、我々もそれを望んでいる。我々には彼らが必要だ」と語っている。(c)AFP/Steve Griffiths