【5月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は13日、週末行われた12-13イタリア・セリエA第37節、ACミラン(AC Milan)対ASローマ(AS Roma)戦で起きた人種差別的なチャントを非難した。

 ブラッター会長は自身のツイッター(Twitter)アカウントで、「昨晩、セリエAでの人種差別について知りぞっとした。われわれは言葉ではなく、行動で示すことを誓う」と投稿した。

 12日にサン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)行われた試合は人種差別的なチャントをやめるようローマのサポーターが警告を受けるなどし、後半序盤の3分間、試合が中断された。

 チャントの矛先はミランに所属するマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)に向けられていたと考えられている。

 FIFAは先頃、北中米カリブ海サッカー連盟(Confederation of North, Central American and Caribbean Association FootballCONCACAF)のジェフリー・ウェブ(Jeffrey Webb)会長をトップとする反人種差別の特別委員会を立ち上げた。

 人種差別の取り締まり強化を狙う同委員会は、人種差別的行為の識別を容易にするためにスタジアムに職員を配置するなどの提案を今月末に行われるFIFA総会で行う。

 イタリアのサッカー界では人種差別が繰り返し見出しを飾っている。今年1月にはイタリア4部のプロ・パトリア(Pro Patria)との親善試合で、ミランのケヴィン・プリンス・ボアテング(Kevin Prince Boateng)が人種差別発言を受けてピッチを立ち去った。

 また、2月のインテル(Inter Milan)対ミランのミラノダービーでは、バロテッリに対し、空気で膨らませるビニール製のバナナ型のおもちゃが振りかざされ、サルの鳴き方を真似た声が聞かれた。(c)AFP