【4月28日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は27日、2011-12シーズン終了後に退任することを発表した。クラブ史の中で最も輝かしい実績を残したグアルディオラ監督の時代は、4年で終止符が打たれることになった。

 グアルディオラ監督の退任発表を受け、FCバルセロナは後任にアシスタントコーチを務めるティト・ビラノバ(Tito Vilanova)氏が就任することを発表している。

 本拠地カンプ・ノウ・スタジアム(Camp Nou stadium)で記者会見に臨んだグアルディオラ監督は「私にとって簡単な決断ではなかった。バルセロナを率いた4年は長く感じた。心身ともに疲弊しており、休養が必要だと感じた」と語った。

 また、6月末に切れる契約を更新せず、これまで去就を明らかにしなかったことを謝罪したグアルディオラ監督は、欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)の結果とリーグ優勝争いの行方が決するまで発表を控えていたことを明かしている。

 21日に行われた11-12スペイン1部リーグ第35節で優勝を争うレアル・マドリード(Real Madrid)に敗れたFCバルセロナは、24日に行われたチェルシー(Chelsea)との欧州チャンピオンズリーグ準決勝で敗退を喫し、大会から姿を消している。

■4年間で13個のタイトルをもたらしたグアルディオラ監督

 現役生活のほとんどをFCバルセロナで過ごしたグアルディオラ監督は、クラブの下部チームにあたるFCバルセロナB(FC Barcelona B)で指揮を執った後、2008年6月にフランク・ライカールト(Frank Rijkaard)氏の後任としてトップチームの監督に昇格した。

 チームを率いた4年間でグアルディオラ監督は、3年連続で世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」に選出されたメッシを含めた才能豊かな選手を擁し、FCバルセロナで13個のタイトルを獲得した。

 ジェラール・ピケ(Gerard Pique)、セスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)、シャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)らが会見を見守る中、グアルディオラ監督は、彼らを指導できたことは格別だったと話している。

 つらい表情を多くのメディアにさらけだしたくないとの理由で会見場に姿を見せなかったリオネル・メッシ(Lionel Messi)は、自身のフェイスブック(Facebook)にコメントを寄せ、グアルディオラ監督に感謝の意を述べた。

■後継者に指名されたビラノバ氏、モウリーニョ監督と因縁も

 グアルディオラ監督の後継者に指名されたビラノバ氏は、スペイン・スーパーカップ2011(Spanish Super Cup 2011)の試合終盤に発生した乱闘騒ぎの中で、レアル・マドリードのジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督に目を指で突かれたことで世界に名が知れ渡った。

 試合後の会見でモウリーニョ監督は、「ピト(Pito、スペイン語で陰部を表す言葉)・ビラノバなんて名前を私は知らない」とコメントし、2試合のベンチ入り禁止が科されている。

 FCバルセロナの下部組織出身のビラノバは、セルタ(Celta de Vigo)や下部リーグのクラブなどに在籍し、2002年に現役を引退した。

 2007年にFCバルセロナ下部組織のコーチに就任したビラノバは、その後トップチームのコーチに昇格し、2008-09シーズンにはグアルディオラ監督とともにチームを6冠を達成している。

 ビラノバ氏についてグアルディオラ監督は、「クラブは正しい決断を下した。彼なら私に足りなかったものを選手たちに与えてくれるだろう」とコメントし、自身の後継者を支持した。(c)AFP