【11月28日 AFP】09-10スペイン1部リーグ第12節、「エル・クラシコ(el clasico)」を29日に控え、FCバルセロナ(FC Barcelona)の本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou Stadium)に乗り込むレアル・マドリード(Real Madrid、以下レアル)は、完璧なタイミングでチームに復帰したクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo、以下ロナウド)という恐るべき前線の脅威を手にした。

 レアルは現在(11月23日付け)バルセロナに勝ち点1差で首位に立っている。08-09シーズン第34節、本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)でのバルセロナ戦では、リオネル・メッシ(Lionel Messi)の活躍などで2-6の大差で敗れているが、相手の質の高さを思い出す必要はない。
 
 メッシは21日に行われたリーグ戦のアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)戦で太ももを負傷し、24日に行われた欧州チャンピオンズリーグ2009-10(UEFA Champions League 2009-10)のインテル(Inter Milan)戦を欠場した。同試合でメッシは、同じく太ももを負傷しているズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)とともに控え選手としてベンチに座っていた。

 バルセロナのジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は、メッシに関して楽観視はしているものの、リスクを背負って先発出場させるか、ベンチに置くかどうかを決めなくてはならない。

 一方でレアルのマヌエル・ペジェグリーニ(Manuel Pellegrini)監督も、25日に行われた欧州チャンピオンズリーグのFCチューリヒ(FC Zurich)戦で20分間出場し、約2か月ぶりの復帰を果たしたロナウドに関して同じようなジレンマを抱えている。

 ロナウドは右足首の負傷によりクラブの公式戦を10試合欠場しているが、昨シーズンまで所属していたマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の一員として欧州チャンピオンズリーグ決勝で苦杯をなめさせられたチームと対戦する初めてのクラシコに向け、万全だと答えている。

 ロナウドは「調子がよければクラシコに出場したい。でも、それ(出場の可否)は監督の職責だ。(チューリヒ戦では)得点することができなかったけれど、次の試合で取れれば良いと思っている。1-0や2-0、2-1でも構わない。大事なことは勝つこと」とコメントしている。

 レアルは08-09シーズンのクラシコ2試合すべてに敗れている。1戦目で敗れた際には勝ち点を12差にまで広げられ、2戦目には大敗を喫し、バルセロナは最後に優勝を手にした。

 バルセロナのダニエル・アルヴェス(Daniel Alves)は「最大のライバルに6-2で負けたりしたら、俺はリベンジをしに行くだろうが、マドリードはそうではない。彼らは十分に考慮して来ると思う。ここで戦うのは難しいし、前回の対戦で大敗しているのであればなおさらだ」と語っている。

 今シーズンのレアルはファンに対して過剰にスリルを味わわせてはいないが、リーグ戦11試合で勝ち点28を獲得し、最近17シーズンでは最高のスタートを切っている。グアルディオラ監督は「もちろん彼らが首位だ。2億7000万ユーロ(約347億円)を使った後なのだからどうしていけないのだ」とコメントしている。

 巨額の移籍金で獲得したカカ(Kaka)、シャビ・アロンソ(Xabi Alonso)、ロナウドらが初めてのクラシコに臨むレアル・マドリードに対し、バルセロナは下部組織出身でレアルこそ敵として育ったシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)、アンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)、カルレス・プジョル(Carles Puyol)やジェラール・ピケ(Gerard Pique)らが迎え撃つ。(c)AFP/Phil Seery