【9月11日 AFP】北朝鮮スポーツ省体育競技規律審議委員会は11日、不正行為を行った国内のサッカーチームに6か月間の全大会出場停止処分を科したと、異例の発表を行った。

「先鋒(Sonbong Team)に厳しい処罰が下された」と見出しをつけた国営の朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)によると、約2週間前に行われた国内カップ戦「たいまつカップ(Torch Cup)」で優勝した先鋒に「健全なスポーツ精神と道徳に背く」振る舞いがあったと報じた。

 不正行為は明確にはされていないものの、KCNAは先鋒が4.25体育団(April 25 Sports Club)とのカップ戦決勝で「不正な選手」を出場させたとしている。

 試合は、平壌(Pyongyang)にある金日成競技場(Kim Il-sung Stadium)で金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が観戦する中で行われており、不正行為はさらに深刻な意味を持つことになった。金第1書記は、試合後に先鋒の選手と写真に収まっている。

 KCNAは、この事件が「社会的な騒動」を引き起こし、「日々高まるスポーツへの熱意をそいだ」と伝えている。

 規律審議委員会の広報担当官は「試合に出場した選手だけでなく、サッカーファンや軍人、人民から批判の声が上がった」としている。

 また同広報担当官によると、6か月の出場停止処分に加えて優勝は剥奪され、4.25体育団が正式な優勝チームとされたという。(c)AFP