【7月20日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は19日、2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)のチケット販売を、8月20日から公式サイトで開始すると発表した。

 大会開幕まで330日と迫る中、FIFAのマーケティング責任者、ティエリ・ワイル(Thierry Weil)氏は記者会見に臨み、チケット販売の概要について説明を行った。チケットには4種類の金額設定が設けられており、合計300万枚が5回に分けて販売されるという。

 8月20日から10月10日までの第1次販売期間では抽選による配分が行われ、その後の11月5日から28日までの第2次販売は先着順となる。

 第3次は12月8日から1月30日までで、こちらは再び抽選販売。2月26日から4月1日までの第4次では2度目の先着順販売が行われる。

 最後の第5次も先着順販売で、これは4月15日から決勝が行われる当日の7月13日まで行われる。

■ブラジル国内限定の格安チケットも販売

 ワイル氏によると、ブラジル人と海外からのファン向けの一般販売には70万1079枚のチケットが用意されており、加えて10万枚が政府関係者やスタジアムの建設に携わった作業員に無料で提供されることになるという。

 また、50万枚のチケットがブラジル国内限定で販売されることとなっており、この中には学生や高齢者、低所得者向けの格安チケットも含まれる。

 ワイル氏は、「W杯でディスカウントチケットを販売するのは2度目のこととなる」としており、過去に一度、格安チケットが売られたのも同じくブラジルで開催された1950年大会だったと加えた。

 ブラジルのルイス・フェルナンデス(Luis Fernandes)副スポーツ大臣は、FIFAが格安チケットの販売を許可したことは、「とても大きな恩恵」と話した。

 一般販売ではグループリーグのチケットが90ドル(約9000円)と最安値となっているが、開幕戦だけに限り220ドル(約2万2000円)での販売となる。最高額のチケットは、7月13日にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で行われる決勝のもので、値段は990ドル(約10万円)となる。

 一方、ブラジル国内向けのディスカウントチケットは、グループリーグの試合で15ドル(約1500円)からの販売となっており、一番高額の決勝チケットでも83ドル(約8300円)という料金が設定されている。

■スタジアム準備の滞りに懸念

 ワイル氏は、先月行われ、合計で80万4122枚のチケットが売れたコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)について、「大成功」と称えており、ブラジルがスペインを3-0で下した決勝は「今まで見た中で最高の試合だった」と話した。

 同大会期間中にブラジル各地で行われたデモ活動は、チケットの値段設定に影響を与えてはいないという。

 一方でワイル氏は、同大会でスタジアムの準備が予定の期日までに間に合わなかったことが反省要素として残っているとも語った。

 大会組織委員会(LOC)のリカルド・トラデ(Ricardo Trade)事業本部長は、コンフェデレーションズカップの時のように、W杯でもスタジアムの準備が予定通りに整わないのではないかという懸念を否定している。

 トラデ氏は、「代替案はない。心配する必要もない。スケジュール通りに準備は整う」とAFPの取材に対し答えた。(c)AFP