【7月1日 AFP】サッカーコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)は30日、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で決勝が行われ、ブラジルが3-0でスペインに勝利し、優勝を飾った。

 開催国のブラジルが目を見張る内容で欧州王者のスペインを圧倒し、大会3連覇を達成してマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)を歓喜の渦に包み込んだ。

 パワー全開のブラジルは、PK戦までもつれ込んだ準決勝のイタリア戦で力を使い果たして疲れ切ったスペインを支配し、フレッジ(Fred)が2得点、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が1得点を挙げて快勝した。

 スペインは、後半に得たPKをセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)が失敗し、ネイマールに対してプロフェッショナル・ファウル (罰則覚悟で行うファウル行為)を犯したジェラール・ピケ(Gerard Pique)が退場となるなど、散々な夜となった。

 サッカー界を象徴するスタジアムの1つである、マラカナンで行われたしびれる決勝は、詰めかけた7万3531人の観客が国歌を大合唱し、試合開始前の時点で盛り上がりに火がついていた。

 その熱狂的な声援の後押しを受けたブラジルは、試合開始わずか2分でフレッジがこの日1得点目を決めて先制に成功した。

 フッキ(Hulk)が上げたクロスがネイマールに当たって絶好の位置にこぼれると、ゴールエリア内でフレッジは前に倒れこみながらも右足を振り、至近距離からスペインのGKイケル・カシージャス(Iker Casillas)には防ぎようのないシュートを決めた。

 スペインのCBピケは後半、ネイマールにスライディングを見舞って退場処分となり、声援を送る恋人のシャキーラ(Shakira)さんの前で無念の姿をさらした。スペインは、歌手であるシャキーラさんの曲のリズムを少しでも体現できていれば、好機を作り出せていたかもしれなかったが、そうしたハイテンポのパス交換を見せるのは対戦相手のブラジルだった。

 スペインにはまったく良いところがなく、前半42分に訪れた唯一の絶好機はブラジルのダビド・ルイス(David Luiz)の驚異的なクリアに遭って得点とはならなかった。

 スペインは、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に所属するフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)とフアン・マヌエル・マタ(Juan Manuel Mata)の連携から、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(Barcelona)でプレーするペドロ・ロドリゲス・レデスマ(Pedro Rodriguez Ledesma)が抜け出し、GKのジュリオ・セザール(Julio Cesar)を破るシュートを決めたかに見えた。

 これにブラジルのファンは思わず凍り付いたものの、ルイスがゴールラインに向けて体を投げ出してボールをクリアすると、会場には歓声がこだまとなって響き渡った。

 するとブラジルは前半終了間際、来季からバルセロナ加入が決まっているネイマールが得点を決めて2-0とリードを広げた。ネイマールはオフサイドラインぎりぎりでオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)のパスを受けると、左足の強烈なシュートでカシージャスを破り、今大会4得点目を決めた。

 21歳のネイマールは広告の看板を越えて観客の中に飛び込み、その後、これ以上ないほどの大歓声の中でチームメイトの祝福を受けた。

 ブラジルは後半開始2分にもフレッジが、ルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督の期待に応える得点を挙げ、リードを3点に広げた。フレッジはネイマールが瞬間の判断でスルーしたボールを正確にミートし、低いシュートをカシージャスの伸ばした手の届かない場所へ流し込んだ。

 これを受け、W杯と欧州選手権、さらに欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)をすべて制した唯一の指揮官であるスペインのビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督は、マタに代えてヘスス・ナバス(Jesus Navas)を投入したが、チームが息を吹き返すことはなかった。

 ナバスがブラジルのマルセロ(Marcelo Vieira Da Silva Junior)に倒されてPKを得るも、ラモスのシュートが枠を外れて失敗に終わったことが、追い詰められ、何かが足りなかったこの日のスペインを象徴していた。

 対してブラジルは、6度目のW杯制覇へ向けて機が熟したことを示した。(c)AFP/Chris Wright