【6月28日 AFP】(記事更新、写真追加)サッカーコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)は27日、フォルタレーザ(Fortaleza)で準決勝が行われ、スペインが7-6でイタリアとのPK戦を制し、ブラジルとの決勝に進出した。

 両チーム無得点のまま延長戦を終えて迎えたPK戦で、イタリアは7人目のレオナルド・ボヌッチ(Leonardo Bonucci)がシュートをバーの上に外したのに対し、スペインはヘスス・ナバス(Jesus Navas)が冷静に成功した。

 これにより、1992年のバルセロナ五輪で金メダルを獲得し、欧州選手権とW杯でも優勝しているスペインは、主要国際大会のタイトルをすべて獲得できるチャンスを得たことになる。

 しかし、開催国ブラジルは準決勝で120分間の試合を避けられた上に、さらには決勝まで回復する時間がスペインより1日多い。

 スペインを率いるビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督は試合後、「我々にとっては非常に難しい試合になった。これから3日間でどうやって回復するかを考えなくてはならない」と語った。

「マラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)でブラジルとの対戦。選手はきっと子どものように喜んでプレーしてくれるはずだ」

 一方、前半はスペインを苦しめたものの、最後は運に恵まれなかったイタリアのクラウディオ・チェーザレ・プランデッリ(Claudio Cesare Prandelli)監督は、2日後に控えるウルグアイとの3位決定戦までに、選手の心身両面を立て直さなければならない。

 ウクライナのキエフ(Kiev)で行われた欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)決勝で0-4と大敗したスペインに対し、今回は善戦したイタリアだが、プランデッリ監督にとってはそこに慰めを見出すことは難しいかもしれない。

■欧州選手権決勝の再戦は両チーム無得点のままPK戦へ

 大敗の苦い記憶があるプランデッリ監督は、欧州選手権のグループリーグ初戦でスペインと1-1で引き分けた時と同じ3バックの布陣に変更し、中盤には6人の選手を配置して、クラウディオ・マルキジオ(Claudio Marchisio)とアントニオ・カンドレーヴァ(Antonio Candreva)に1トップのアルベルト・ジラルディーノ(Alberto Gilardino)をサポートさせた。

 布陣変更の効果があったのか、スペインはゴールから遠い場所でのパス回しに終始し、イタリアの選手はスペインのDFラインの背後に広がるスペースを大胆に活用した。

 なかでも素晴らしい働きを見せたのが、右ウイングバックに入ったクリスティアン・マッジョ(Christian Maggio)だった。コーナーキックからヘディングで得点を狙うと、さらにアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)のスピードのあるロングパスから再びヘディングシュートを狙い、スペインのGKイケル・カシージャス(Iker Casillas)にセーブを強いた。

 イタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)でプレーするマッジョは、前半36分に先制点の絶好機を迎え、エマヌエレ・ジャッケリーニ(Emanuele Giaccherini)のクロスにフリーで合わせたが、ボールはカシージャスの正面に飛んだ。

 その直後、スペインはフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)がイタリアのゴールに迫ったが、アンドレア・バルツァッリ(Andrea Barzagli)をかわして放った左足のシュートは枠を外れた。

 辟易するような湿度の中で行われた試合は、後半に入ると強度が落ち、スペインはしばしば、イタリアのパス回しに観客が歓声を送るのを耳にするという、普段では考えられない立場を経験した。

 それでもスペインは後半40分、センターバックのジェラール・ピケ(Gerard Pique)が、歌手で恋人のシャキーラ(Shakira)さんの前で決勝点を挙げるチャンスを手にしたが、ナバスの低いパスに合わせたシュートは枠を外れ、試合は延長戦に突入した。

 イタリアは延長前半3分に均衡を破りかかったが、ジャッケリーニの左足の強烈なシュートはポストに嫌われた。

 デル・ボスケ監督も最後の交代に動き、トーレスに代えてMFハビ・マルティネス(Javi Martinez)を送り込むと、これがチームに勢いをもたらし、ピケとジョルディ・アルバ(Jordi Alba)がゴールに迫った。

 しかし、その後に交代出場のフアン・マヌエル・マタ(Juan Manuel Mata)は枠をとらえきれず、さらにシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)のシュートは、GKジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)の伸ばした手は届かなかったもののポストに弾かれ、こぼれ球に詰めたマルティネスのボールはマタのつま先のわずかに先を抜けていった。

 スペインは試合終了間際にも勝利をさらうチャンスを得たが、ナバスの低いシュートはブッフォンに防がれて得点とはならず。それでもスペインは、ボヌッチのPK失敗に助けられ、交代出場のナバスが試合を終わらせた。(c)AFP/Tom WILLIAMS